第119話男心が解らない
昼休みにルナリーとルイスを誘って生徒会室へ向かった。
ジェファーソンがパルドデア共和国大使館に訪問しに行った事を告げるとうわぁと言う反応をされた。
「流石だよね。ジェファーソン。日曜日に話してまだ水曜日ですよ?はやっ!!」
会長は予想を上回ったとニヤっと笑った。
「まあ、早くプラゲに行けたらラッキーじゃん?」
ルナリーは特に問題視していないようなので説明をした。
「なるほど、大司教様を頼りたくなさそうだと言う事ね。」
うんうんと頷きながら会長が大きな溜息を付いた。
「さあ。何故か解る?」
会長が意地悪そうに私達に質問をする。
ルナリーは首を傾げているし私にも良く解らない。
ルイスが
「あー。嫉妬か?」
と言った。
流石、男同志は解るね!と会長が話始める。
まあ、沢山溜まってるんだよ。自分が作詞作曲が出来ない事。南ピアーナ国の大学の手配を大司教様が行った事。最近、大司教様がキャサリンにばかり連絡を取ってくる事。
「作詞作曲の件と連絡を密に取ってくる事が1番原因かなー?」
と会長は笑った。
私にとっては笑い事じゃない。。
「男って面倒臭い生き物だからね。」
ルイスもルナリーさえも頷いた。
「これは仕方ねぇ事なんだよ。」
「私はどうしたら良いの?」
王子が困って相談してくるまで好きにやらせること!とルナリーは言った。大司教様へは会長が連絡を取ってくれると言ってくれた。
私が1番ジェファーソンと長く居るのに。
なんで解らないんだろ。
「何か不満そうだね?」
会長が尋ねたので素直に頷いた。
男と女って難しいねー。会長は相変わらず笑っている。
「やれやれ。キャサリンが記憶が戻る前って王子って浮気してたの?してないけど嫉妬してたんでしょ?」
うん。してなかったけど嫉妬してた。
「大司教様とキャサリンは浮気してるの?してないけどジェファーソンは面白くない。」
同じだよ。と会長は言った。
「後ね。音楽の神童と呼ばれて来たジェファーソンの初じめての挫折が作詞作曲だ。」
うぅ。確かにそうだ。
気づいてあげられなかったのが悔しい。頼られて嬉しくて曲を作って来たけれどこれは全部、前世での知識だもん。
ゲームでは作詞作曲何て無かったもんね。
私達が転生した事で全く違う世界になろうとしている。
大司教様。年が離れているし大司教様だし。嫉妬される何て思わなかった。。
「キャサリン、そう落ち込むな。早いうちに学べて良かったじゃないか。」
会長がふふっと笑う。
「だからね。距離感って言ったでしょ?僕との距離感も絶対、気をつけないとダメ。」
肝に銘じます。。男って面倒臭いよねーと会長はまた呟いた。
会長って前世では経験豊富だったんだろうなあ。。
生徒会室を出て教室へ戻る途中。
「ルイスも嫉妬ってするの?」
そう聞くと笑いながらめっちゃ妬くよと言っていた。
「でも、ルイスは解りやすい。」
ルナリーは笑って言う。そして、妬くけど浮気しないって知ってるから。お互い同じ事を言った。
2人の関係が羨ましいなあ。
違う。私はこんなに2人のようにお互いを信頼して頼ってないんだ。
前世からお互いを知っているから2人は話しやすいって言うのは羨ましい。
でも私、両思いになってもジェファーソンを頼ってない!!
ついつい前世がアリラブ仲間と言う共通で今、1番頼っているのは会長だ。。今も頼ってしまったし!
次にルナリーかな。その次はルイス。
3人との会話と比べたら圧倒的にジェファーソンとの会話が足りない!
フラフラと教室に戻った。大丈夫かー?また凹んでるのか?とルナリーに言われたが大丈夫と言って誤魔化した。
大丈夫だけど大丈夫じゃなーい!
私、前世では2次元にしか興味無かったの。目の前の大好きなジェファーソンと何の会話したら良いか解らない!!
本当に大丈夫じゃないわ。私。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます