第115話グレンさんとローズさん
財閥マッケンジー家の跡取りグレン17歳。
婚約者無し。
前世の記憶が戻ったのは比較的早く12歳の頃だった。財閥を継ぐのも面倒臭いし何より家庭環境が息苦しい。
女に興味が無い訳では無いがピンと来ない。と言うか令嬢達は無理だ。。そう思って17歳までフラフラとしていた。
元、侯爵家で財閥の3女ローズ17歳。
勿論、婚約者無し。
記憶が戻ったのは10歳の頃だった。実は現王様の婚約者候補の筆頭だったらしい。交わし続けて3年。王子もいい加減、婚約者を決めてくれた。その後フラフラしている。
そんなフラフラしている2人には見合いの話が舞い込んで来た。
財閥令嬢何て絶対ごめんだ!
財閥御曹司?断る!!
マッケンジー家の客間に通され2人っきりにされるまで愛想笑いを続けた。
後は2人でお話をと家族が出た瞬間からガン飛ばしあいが始まった。
可笑しい。一睨みで今までの令嬢はビビって直ぐに断って来た筈なのに。
此奴、やるな。まさか睨み合いになるとは。
10分、、20分、、、時間だけ経過し続けた。
もう少し脅して見るか。
「てめえ!何もんだ!やるぞ!コラ!!」
机をダンッと勢いよく叩きもう一睨み。
これで退散するだろそう思った時
「おもしれーじゃねーか!やってやるよ!」
ローズは立ち上がって同じ様に机をガンッと叩いた。
此方も立ち上がり机越しの睨み合いが更に続いた。
先に折れたのは俺の方だった。と言うかこんな根性のある女は他には居ないので少し興味が沸いた。
「あー。疲れた。お前やるなあ。」
まあ、座れとローズに促す。
「お前こそやるね。初めてだよ。」
ローズはニヤっと笑って座った。
「最初に言っておく。俺は死ぬ前の記憶がある。だから面倒臭い令嬢と結婚する気は無い。」
何故か話しても良いかと言う気になった。何時も相手から断らせていたが今回はそうは行かなさそうだとも考えたからだ。
「ほー?お前もか。私もだ。だから財閥の坊ちゃんは無理だ。」
ローズはサラッと答えた。
なるほど同じ前世持ちか。
「じゃ前世は何してた?俺は族の頭だ。」
「気が合うな。あたしもだ。」
面白い事もあるもんだ。
会話を続け相手の出方を伺いながらお互いが夜叉と紅夜叉の総長だと名乗る迄そう時間は掛からなかった。
それから直ぐに婚約をした。これ以上の結婚相手は居ないとお互いに考えた。
好きと言う感情よりもお互いを尊敬し合っていたしなあ。
ワインをグイッと飲んで総長は笑いながら
「でも、愛してるぜー!ミズキー!」
と抱きついた。
「こら、酔っ払いすぎ!」
なんだかんだで仲が良いなあ。
「今日はルナリー!泊まって行け!」
「グレン!酔っ払い過ぎだって。」
2人の会話に私とルイスはドギマギしていまう。
「別に良いだろ?此奴ら一体何年越しの恋なんだよ!」
「確かになあ。まあ、いっかー!」
あー。ミズキさんも酔ってるね。
「良し!許す!」
お義母さんの一言でお泊まりが決定してしまった。
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