第114話総長と特攻隊長と親衛隊

全員揃っては居ないが招待されたノネットメンバーで『Ha〇py happy Bir〇hday』をルイスとルイスの両親に歌って聞かせた。


ルイスの両親はノリ良く聞きたそうなのを必死で笑顔で聞いている気がした。公的な場って大変だ。




「ルナリーはご飯食べて行きなさい。全然食べれてないでしょう?」


腹ぺこです!


ありがとうございますとお辞儀をし皆を見送った。




「あー!疲れたー!帰ったか?」


お義父さんの第一声。


「おー。大丈夫よー。飯にしよーぜー!」


お義母さんの返事。


漸く茶会が終わったと2人共伸びをしている。




「何時も俺が見てない所ではこんな感じだったんだろうなあ。」


とルイスが笑う。




「総長ー!今日は本当にありがとうございました!」


直立不動からの一礼!




「あの!クソ令嬢達か?気にするなってー!」


「全く、懲りない奴らだったなあ。」


そう笑い飛ばされるとほっとする。




ダイニングルームに茶会で余ったご飯を運んで貰い使用人達は席を外した。




「一仕事終わったなー!」


「やれやれ。自分とこで開く茶会はまじ面倒臭い。」


ルイスの両親ってこれを何年もやって来たんだなあと思うと本当に尊敬する。


ご飯美味しいー!沢山作っても皆、食べないみたいなんだよね。勿体ない。


両親達は仕事の後の酒ー!とワインを幸せそうに呑み出した。




「今度さあ。走りに行こうや。ハーレー買ったんだ!」


お義父さんが嬉しそうに言う。


「ハーレー?自分達だけ?」


ルイスがちょっと不満そう。ハーレーか!凄いなあ。


「皆で行きたーい!!めっちゃ楽しみー!」


「ルナリーは免許持ってないからルイスの後ろな。」


ぐはぁ。確かに無免です。


単車も高くて買えません。


「そのうち稼ぐ様になったら免許も取って単車も買いな。」


「はーい!」


こう言う会話って久々で楽しい。




「ルイスにプレゼントあげなきゃ!総長達にもあるんだ!」


取ってくるねとルイスの部屋に上がらせて貰う。


喜んでくれると良いのだが。全く金持ちに贈る品って何を贈れば良いか困る。




「はい!ルイス!」


「そしてお義父様、お義母様にも。オソロいです!」




「ありがと。開けるよ。」


3人がラッピングを開くと目をキョトンとさせ、その後で爆笑し出した。狙い通り!!




「特服じゃん!!」


「おー!すげー!」


「親衛隊カラーの特攻服だ。懐かしー!」


必死で作った甲斐があったよ。




「刺繍が間に合わなくてちょっとしょぼいからそのうち縫わせて下さーい。」




「お前、昔から得意だったもんなあ。しかし良い出来だ。」


総長達は赤。ルイスはカーキ色。私は白。




「てか、これ何時着るんだよ。。」


「え?パジャマで?」


この世界では着れないと解っていたがどうしても贈りたかった。




「パジャマかよ。喧嘩の夢ばっかり見そうだな。」


総長は笑いながら着替え出した。着たかったんだな。。




ダイニングルームで特攻服に着替え出す私達。使用人には見せられないね。




「うわー。めっちゃ落ち着くー。」


ルイスが着替えて幸せそうな顔をしている。


「晒しが欲しいなあ。やはり必須だよな。」


お義母さんは本格的に着たいようだ。




「あー!これ着たら右手に木刀が足りねえ。」


お義父さんはヤンキー座りですっかり寛いでいる。




「ルナリーさあ。俺達も結構良い年なのよ。でも、こう言うの着ると現役を思い出すじゃん!死んだの若かったからしゃーねーんだけどよー。」


ヤンキー座りで上目遣いでブツブツ言う総長。もうお義父さんじゃ無くなってる。。


そうかあ。総長達も若くして亡くなったんだなあ。




「現役の時って総長達って付き合ってたんすか?」


ちょっと気になっていた。




「まさかー!掟忘れたのか?」


「いや。忘れてないっす。」




「この世界に産まれてきてからだよ。昔は悪友としか思ってなかったし。」


「うん。悪友だったなー。」


そうだったのかあ。てっきり前世から好き同士だと思ってた。




「おー!話してやるよー!ローズとの出会い!!」


「げっ。話すのかよ!」


ワインがぶ飲みで出来上がりつつあるお義父さんが饒舌に語りだした。

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