第113話ルイスの誕生日

ルイスの誕生日!!


プレゼントも持った。ドレスも着た。今日はお茶会という事で夕方から2時間程で終わるらしい。


「ねえ?ルナリー、本当にマッケンジー様と婚約するの?貴女で大丈夫?」


私の髪を結いながら母が心配そうに声をかける。


「まだ、仮だって!コンクールで金賞取る事が条件!」


「頑張らないとね。貴女の言葉使いや素行も直さないと。」


我が家では、まだ反抗期継続中と言う事にしている。




ルイスが車で迎えに来たので


「行ってくるぜー!」


と言うと母は頭を抱えていた。




「似合うじゃねーか!」


「うん。助かったよ。総長じゃなかった。お義母様のおかげですわー。」


2人で笑い合う。


何か王子程では無いがそこそこ人が集まるらしく緊張するなあ。


ルイスのエスコートで車に乗り込む。




「ねえ。ルイスの兄ちゃんって私達と同じ?それとも普通の人?」


「解んねえ。そう言う話何てしないし。取り敢えず真面目。兄貴の婚約者も真面目。」


そう言えば会ったこと無い。ルイスの兄は婚約者と共に国交のある国に海外留学しているそうだ。


知らなかった。


「もう1つ聞いて良い?総長達の名前。。」


お恥ずかしながら知らなかった。


「あはは。確かに言ってなかったなあ。親父はグレン、お袋はローズだよ。」


「紅蓮と薔薇。。めっちゃカッコイイな。」


そんな話をしているとマッケンジー家に到着。




プレゼントは後で渡すと言うことで使用人の方にルイスの部屋に置いて貰うことにした。




ルイスのエスコートで客間に入る。


結構な人数が既に談笑していた。




私達に気づいたお義母さんが寄ってきた。


「似合ってるわ。ルナリーさん。」


「ありがとうございます。」


本日はお招きありがとうございます。と淑女らしく礼をする。


お義父さんも寄って来られたのでご挨拶をする。


「緊張せずにね。」


2人は本当に総長か?と疑うくらい公的な場での変わりっぷりが凄い。




さあ!挨拶回りだ!気合いを入れて笑顔笑顔っと。


王子とキャサリンとクライス、ジョージ、カインは来てるんだと解ったけど其方に行く訳には行かない。




ルイスに連れられて横で微笑む。挨拶。


その繰り返し。




時間を見計らってお義父さんが皆様への挨拶を始めた。


「本日は次男ルイスの17歳の誕生日のお茶会にお越し頂きありがとうございます。同時に婚約披露も致します。」




そう言われてルイスと私はお義父さんの元へ呼ばれた。


ルイスが紹介してくれ私は淑女の礼をしひたすら笑顔を絶やさずに居た。


おお。やはり今回も視線が刺さるぞ。


婚約者が居ない御令嬢達の視線、狙っていた親の視線。刺さるねー。




パーティーが始まった。


王子の時の様な楽団は用意されてなかったがレコードで曲がかかりダンス開始。


「相変わらずダンスは緊張する。」


「いや、めっちゃ上手いって。」


ルイスのエスコートが上手いから本当に踊りやすい。改まって言うのは照れるけど本当にルイスの事が好きだなあと思う。


密着感が幸せ。


ダンスが終わると拍手を貰いその後は招待客がダンスを開始した。




「ジェファーソン達の所に行こうか!」


ルイスが笑顔で手を引く。やっと落ち着くー。




「ルイス!誕生日おめでとうー!」


皆に迎えられ本当に居心地の良さを感じる。


「姐さん、綺麗ですよ。」


「ありがとー!」




「頑張ったわね!これをクリアしておけば後が楽よ!」


キャサリンが励ましてくれる。


「しかし、凝りもせず婚約者の居ない御令嬢達が煩いわね。」


「あー。ごちゃごちゃ言われてる?」


本当に面倒臭い連中だ。




「金目当ての令嬢って本当に鬱陶しいよね。」


クライスが冷ややかな目で呟く。彼も相当苦労しているんだなあ。




もはや恒例行事となって来たかの様に出たよ!庶民の癖に!


「これにも慣れたな。」


私が笑うとルイスがお袋がキレてるなーと呟いた。


見ると、、あぁ目が笑って無い。そうか、お義母さんは初体験だもんな。




お義母さんと言うかミズキさんは大きな声で悪口を言う御令嬢達に向かって行く。


「あら?貴女達。私の選んだ婚約者に何か不満でも?」


ガン飛ばしている訳ではないのだが滅茶苦茶怖い迫力だ。


「いえ。不満等、、」


令嬢達がモゴモゴと言いながら目を逸らしていた。




「社長令嬢だからルイスの婚約者に選ばれると思っていたの?残念ね。今後、私の可愛い娘の悪口等言わない事ね。容赦はしませんわよ。」


うふふと笑って去っていかれた。総長!カッコイイ!!


令嬢達は青ざめていた。


蛇に睨まれた蛙と言う状態だな。




「昔から紅夜叉メンバーにだけは優しい人だったな。」


ルイスがボソッと耳元で囁く。


そうなんだよ。紅夜叉にだけね。。




お義母さんとお義父さんの所々のフォローと言うか脅しのお陰で今回の誕生日のお茶会は無事に終わる事が出来た。




後は誕生日プレゼントを渡すだけー!

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