第99話ルイス×ルナリーは何かに巻き込まれがち

「どこ行く?」


「俺も欲しいし、ルナリーにもプレゼントしたい!物があるんだよなー!」


ルイスはニヤっと笑って単車に乗れと言う。


「何?めっちゃ気になる!」


「ふっふっふ。着いてからのお楽しみー!」


何処に連れて行かれるのかと思って居たら車で20分程離れたワップスと言う街だった。


徒歩だとなかなか来ない距離なので初めて来た所だ。結構、色んなお店があって拓けている。




「おー!初めて来た!」


「俺も聞いて来たんだよな。何と!警護人御用達の店があるって!」


「まじかー!それは唆られる!」


新しい特殊警棒とか見たい。ルイスも自分の家の警護人に聞いてからずっと行ってみたかったそうだ。




街を眺めながら店を探す。こう言う買い物デートってなかなかした事ないので嬉しい。


「あっ!やべ!ちょっと銀行寄る。」


「気にするなよ。自分の物は自分で買うから!」


そう言ってるんだが欲しい品が買えなかったら困る!と無理矢理、銀行にお金を下ろしに着いて行くことになった。






中に入って順番待ちで座っているとふと銀行の奥の商談スペースに目が行った。


「あれ?ルイスの?」


「げっ!!何で此処に居るんだよ!商談か!?」


ルイスの両親だった。




ルイスが無理矢理私と両親を会わせようとした訳ではないようで不満そうに早く順番が来ないかイライラしている感じだった。


「めんどくせー。会話したくねー。」


とブツブツ言っている。




商談が終わられたらきちんと挨拶しなきゃな。そう思っていた時だった。






「手を上げろ!!!」


窓口の銀行員に拳銃を突きつける男。


と同時に3人のナイフを持った仲間達が私達に向かって威嚇した。




「そこの隅に座れ!!」


キャー!!!!


うわー!!


客の悲鳴が聞こえる。




銀行強盗!?!?




まさかの事態に巻き込まれた。わー。めんどくせー。




「男はこっち!集まって座れ!」


「女はこっちだ!早く!!」


3人の男達はナイフを振り回し客達を銀行の隅に誘導する。




拳銃を持った男は銀行員に金を詰めろと要求していた。


ドラマとかで良く見る光景だが体験するのは初めてだ。前世の時代ならセキュリティシステムとかで警察に直ぐに連絡が行くのだろうけど。この国のこの時代はまだ無い。




銃を持ってる奴が厄介すぎる。




私もルイスも強盗に大人しく従い誘導された隅に座った。


男女分けられたため離れてしまった。相談も出来ない。




何でこんな目に会うのよ!


何するんだ!!


抵抗しようとしたり文句を言う客に強盗は激しく威嚇した。




私の直ぐ後ろにルイスのお義母さんが座った。私は無言でお義母さんに頭を下げる。


お義母さんも冷静な顔で頭を下げた。




気まずいな。でも話しをしたいが強盗の目がある。お義母さんもそうであろう。貴婦人らしく凛として怯えず黙って座っている。


強い方だ。




強盗のナイフを持った3人は座らせた客にナイフをずっと向け続け警戒している。




「早く金を詰めろ!!」




バン!!!!


強盗が天井に1発威嚇射撃をした。




キャー!!キャー!!!ギャーっ!!!


突然の発砲に騒ぐ客達。私も発砲音にビクッとした。やっぱり銃はヤバい。




「うるせー!大人しくしろ!」


ナイフの強盗が叫ぶ。


泣いてる客も居た。




「うるせー騒ぐな!」


男達はナイフを振り回しながら相変わらず威嚇している。




早く終われ!


我慢するから!




その時、お義母さんの横に居た女性が怖さでおかしくなったのか発狂し始めてしまった。




キャー!ギャー!!キャー!キャー!いやーー!!




狂った様に叫ぶ女性。




「黙れ!!」


ナイフの強盗がこっちにやって来た。


「うるせー!黙れ刺すぞ!!」




キャー!!!キャー!!!いやーー!!


女性は叫び続けた。




「黙らせろ!」


男性側にナイフを向けていた強盗がそう命令した。




どうしよう。手を出すか。




強盗はナイフを女性に向け本当に刺そうと威嚇している。




しかし叫び声は止まない。おかしくなっているんだ。無理だ。




ナイフを高々と振り上げ強盗は女性を刺そうと構えた。




叫んでいた女性はあろう事かお義母さんを盾にして叫び出した。




強盗がナイフを振り下ろす。お義母さんは女性に両腕をがっちり掴まれて盾にされている。




私は。。。




お義母さんを庇うように前に出て特殊警棒で強盗のナイフを止めた。




身体が動いてしまった。。

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