第97話閑話 ブルーさん×エミリア。会長と愉快な仲間たち


「アレックスさん!!」


待ち合わせ場所に先に着ていた彼へ声をかける。


「エミリアさん。お久しぶり。来てくれて良かった。」


アレックスさんがニッコリ微笑まれているのが嬉しくて笑顔でいっぱいになった。




アレックス・ブルーさんは今年20歳。私と同じ庶民出身でアリア学院出身。オーディションで国立管弦楽団に入られた。


入団当時からずっと憧れ続けて来た。


「お昼ご飯行こうか。」


「はい!」


初めて声をかけたのは15歳のアリア学院の受験前。一目惚れしてからお小遣いを貯めては公演に通っている。




「何か照れるね。」


レストランで向かい合って改まると顔を見るのもドキドキする。


アレックスさんもちょっと顔が赤い。


フルートの話や楽団の話。楽団のメンバーの話。今まで聞いた事なかった話がとても楽しい。




「エミリアさんって付き合ってる人っているのかな?」


アレックスさんの突然の問に首をブンブンと横に振る。


「私。ずーっと!アレックスさんのファンで大好きなんです!」


公演に行く度に言い続けて来た。


きっと沢山の人に言われているんだろうけど。精一杯アピールして来た。




「うん。知ってる。」


アレックスさんが微笑まれる。




「ファンじゃ無くて1人の男性として好きになってくれる?」


心臓がドキドキする。


「勿論です。」


私は必死でそう答えた。アレックスさんは嬉しそうに


「宜しく御願いします。」


と言って私の手を取った。顔から火が出そうだった。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




ルナリーやキャサリンには気づかれた様だが。




今、僕はハーレム状態だ!




改めて見ると全員、かっこいいよなあ。


金髪碧眼の美少年クライス。焦げ茶の髪に茶色の瞳の凛とした顔立ちのカイン。金髪に緑の瞳のあどけない美少年ジョージ。


そして、僕。自分で言うのもなんだけど少し茶色がかった金髪に水色の瞳のイケメンに生まれてきた。


ジェファーソンも金髪碧眼で正に王子顔だし。


流石、攻略対象者達!




ルナリー、良くこのメンバーじゃ無くてルイス選んだよなあと思う。ルイスも高身長でかっこいい方だけど。黒髪で茶色の目で。あー。日本人のイケメン部類だ。


そうか。なるほど。勝手に1人で納得した。




昼ご飯、何を食べるか話し合いの末。ピザ屋に決まった。


この国の料理はイタリア料理とフランス料理の良いとこ取りで何処のレストランに行っても外れが少ない。




「お腹空いた!」


「食べるぞー!」


この店のピザはチーズたっぷりで美味しい。




「やっぱ歌の後はお腹空く!」


クライスがマルゲリータを頬張る。かわいーい。




「うん。何時も昼ご飯はお弁当だけど外食もたまには良いね。」


カイン。チーズ伸びてるよー。




「僕もそう思う。何かこのメンバーでご飯来るのはじめだよねー。」


ジョージは何しても可愛い。




「皆、ピザ好きなんだね」


日本のもっとジャンクなピザがちょっと懐かしい。クアトロフォルマッジも好きだけど。




「好きですねー。会長もでしょ?」


「うん。ここのは特にチーズが美味しいしね。」




知らなかったなあ。攻略でピザ屋デートとか無かったし。




何か聞きたいなあ。


「皆ってさあ。子供の頃から仲良しなの?」




「えっとですねー。僕とルイス、キャサリンは城に子供の頃から遊びに行ってたかなあ。ジェファーソンとも遊んでた。」


クライスが懐かしそうに言った。


財閥組は幼なじみなんだなあ。




「僕も小学校から一緒ですけど本当に仲良くなったのはアリア学院に入ってからですよ。」


確かに。ゲームでは皆、親友って感じではなかった。




「ルイスとは仲良しでしたよ。他の皆とは文化祭からかな。」


ジョージはニッコリと笑った。




面白い関係が出来たものだ。その中に僕も加われて良かった。


「皆と居ると楽しいよね。」


僕がそう言うとうんうんと笑顔で頷く彼等。




可愛いなあ。


目の保養になるよ。




ランチタイムを堪能。ご馳走様でした。

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