第96話久々の練習

春休みも残り5日となった。


久々に皆と歌える。




まだコンクールの悔しさを引きづっているのだが。。多分、歌ってるうちに忘れるだろ。




「おはよー!」


レッスンルームの扉を元気よく開けた。




王子とルイスとカインが来ていた。


「昨日はお疲れさん!」


「姐さん、練習久々ー!」


「ルナリー、僕ら結構上手くなってますよー!」


何時もの感じ。居心地の良い空間。




確かに大司教さんのプロデュースって奴が成功したら何時も皆と一緒に居られるんだなあ。




気合い入れて望もう!




全員が集まって練習が始まる。




編曲がいいなあ。パート別のハモリも良く作られている。


主旋律はアルトからメゾへそしてソプラノへ。


上手く流れを作ってある。




ヴァイオリンとチェロのピアノのハーモニー。




「はー!めっちゃ凄い!綺麗!」


歌い終わって感動してしまって思わず心の声が漏れた。




すると皆はうふふっと自慢げに笑った。




「苦労したんですよー。ここ迄作り上げるの。」


「でも、創作意欲が掻き立てられる作品なんですよね!」


クライスとジョージが嬉しそうだ。




「歌っていて気持ち良いんですよねえ。」


エミリアも笑顔が耐えない。




私、自分の事を優先し過ぎたな。


コンクールしか見えてなかった。もっと皆の為にこれから頑張ろう!




何度か歌い直しや通し練習をして午前中の練習終了。




午後もと思っていたが。




「今日はここまで!」


王子が微笑む。


「そーなの?もっと練習したかったなあ。」




「今日はデート!!ルイス誘ってないの?」


キャサリンがルイスに向かって怒ったように言った。


「いや。何か昨日落ち込んでたし。誘おうとしたんだけどよー。」


ブツブツとルイスが呟く。


あぁ。余計な気を使わせたか。


「エミリアが今日、デートなんですよ。だから午後はお休みにしたんです。」


「僕とキャサリンもデートしますよ。」


王子がニッコリと微笑んでキャサリンと目を合わせた。


おお!エミリア遂に!!




「よーし!ルイス!どっか行こ!」


「おー!」




デートも久しぶり。2人っきりすら久しぶり。




すっかりテンションが上がった。




「独り者組はこれから仲良くランチに行くんですよ!」


クライスが笑顔で言った。クライス、カイン、ジョージ、会長か。


会長。。ハーレムですね。




本日デート日和。楽しみだ。

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