第28話文化祭!
文化祭だ!遂にコンクール!
練習は多分完璧かなあ。緊張しなけりゃ行ける筈。
私達の出番は午後からだ。
午前中は別の演奏を聴き会場の雰囲気を感じようと思っている。
私は集合のレッスンルームに向かう。さあ!頑張るぞー!
ちょっと生徒にしてはガッシリしていて大きいとは思ったが制服だったし3年か?くらいだった。
すれ違いざま。。
鳩尾に一撃。くはっ。息が詰まる。
しまった!プロだ。そう思った時にはもう前のめりに倒れていた。意識が。。。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「姐さん遅いですね」
カインが時計を見る。
「一緒に来なかったのねぇ」
「トイレ行くって言うから流石に着いて行くのは」
クライスが申し訳なさそうに言う。
お腹壊したのかしら?ちょっと心配ね。
「やっぱ腹下したんだろ」
ルイスはへっちゃらでそう言った。
緊張したのかもね。キャサリンも現に昨夜はドキドキして寝付くのに時間がかかった。
更に15分経過した。
「見に行こうか?心配だし」
キャサリンはエミリアを誘う。
「そうですね。お腹痛いなら保健室に連れて行きましょう!」
「宜しくね」
王子は優しく送り出してくれた。
レッスンルームの近くのトイレは誰も居なかった。
1年声楽科へ向かう。入っている人も居たので声をかけるが違う人だった。
「どうしましょう」
他の科も念の為見に行く。
どんどん不安になっていく。キャサリンは何か思い出そうとしていた。
否、まさかね。文化祭、コンクール、文化祭、コンクール。
頭にグルグルとゲームのイベントが思い出される。
監禁
ジェファーソン攻略ルートの時のイベントだ。文化祭前に既に恋モードに入るくらい好感度が上がった時のレアイベント。文化祭までに仲良くなるのは難しく私も1度しか見た事がない。
ジェファーソンと仲良くなっていくルナリーに嫉妬して文化祭前に監禁してしまう。それを行ったのは私。キャサリン・フラーム。
私、やってないわよ。顔が強ばって来るのを感じる。
結局ルナリーは何処にも居なかった。レッスンルームに来ている事を願って戻る。
ドアを開けると視線が此方に向く。
「ルナリーは?」
キャサリンとエミリアは首を横に振る。
「こりゃ何かあったな」
ルイスの顔がきつくなる。
「もしかしてだけど」
キャサリンは考えながら話し出す。ルナリーを監禁したいほど憎む相手って。
「ガードナー。。」
皆の視線が此方にバッと向く。瞬時に察してくれた様だ。
「有り得る!」
「皆で捜そう。でも1人ずつじゃ危ない!」
王子が今にも捜しに行こうとする皆を止める。
「あっ。ルイスはもう行って。1人で大丈夫だよね」
「3年の階に行く!!クソッタレが」
ルイスは凄い形相で駆け出た。
「キャサリンと僕、カインとエミリア、クライスとジョージで行動しよう。カイン達は文化祭ホールへ、クライス達は2年の階を」
「僕らは校舎周り!」
皆、頷き捜索に出た。早くしないと午後の部が始まってしまう!
キャサリンは何処に監禁されていたか必死に思い出そうとしていた。犯人は私じゃないけど何かヒント!ある筈。何処なのよぉ。
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「痛ってぇ」
まじで鳩尾にクリーンヒットだったぜ。
どっかの警備人が制服着て化けてたんだろうなあ。
しかし、此処は何処だ?
椅子に座らされて後ろで手を縛られている。
ドアがある。少し高い位置に窓がある。床を見る。
学校のどっかだな。床材が一緒だ。
こいつはゲームのイベントってヤツだろうか。キャサリンそんな事言ってなかったぞ!
何故、イベントかと思ったかと言うと縛られているのが手だけなのだ。しかも椅子に縛り付けられてない。両足が自由!
普通のルナリーならこれで済むんだろうけどな。
私は椅子から立ち上がる。背伸びをして後ろを向きドアノブに手をかける。まっ鍵くらいかけるよなあ。鍵、鍵っと。また背伸びをして鍵に手を掛ける。
ガチャっと開いた。
「はーい。楽勝!」
ドアノブを回すが重い。外に何か置いてあるのか。クソ!
体当たり!蹴り!蹴り!蹴り!
何、置いてんだよ。開かねー!
「くそ!誰か!いねーか?!」
まっ。居る訳ねーよな。
今、何時なんだよ。間に合うか?
焦る気持ちがどんどん深まる。どうにかしなきゃ。
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