第23話ちっちゃいものくらぶ♪

エミリアです。今、ジョージ様と3年生のフロアーに居ます。


私達は今、文化祭コンクールの敵情視察をしている所。


何故、私達が?それは目立たないから。他の皆様の様に目立ちません。


大丈夫!何かあったらジョージ様は守ります!


昨日、出場を辞退しろと言われたと聞き本当に腹が立ちました。


ジョージ様も怒っています。


スパイみたいでドキドキです。でも何か皆の為にしたいのです。




各レッスンルームの声を聴いて行きます。




混声3部違う。混声4部だけど楽器がピアノだけか。違いますね。




此処?ジョージ様にこっそり聞く。ガードナー家の令嬢のグループだ。なるほど。報告は後ほど。




他も行きましょう。


隠れて!!


知らない3年生だけどバレては不味いのです。


身長の低い私達は隠れるのは得意です。


3年生は3グループみたいですね。2年生はどのくらいなのかしら。




一先ず退散!


急いで1年のフロアーに戻る。


「大丈夫?ジョージ様?走りすぎた?」


「大丈夫だよ。エミリア。ドキドキして楽しかったね」


私とジョージ様は笑い合う。




「行こうか!レッスンルーム!」


2人はレッスンルームに向かった。




入る早々怒られた。あっ。一緒に行くって言ってましたね。


「もう!教室に行ったらいないから!心配したぞ!」


「そうですよ!ジョージも急に居なくなるんですもの!」




「ごめんなさい」


「申し訳ない」




偵察をして来たと言ったら更に怒られた。でも悪い気はしない。


皆に心配されるのも嬉しいものだ。


庶民の私がこんな皆様と御一緒出来て本当に嬉しい。


ルナリーに感謝しまくりだ。




「もうこんな無茶は止めて下さいね!じゃあとりあえず報告お願いします」


王子が言う。




「3年生のコンクールエントリー①は3組です。僕の聴いた感じではガードナー家のグループがやはり上手かった」


ジョージが報告を始める。


「1組目は男性パートが弱いです。後、管楽器はクラリネット。これも下手」


「2組目は混声全体が個性が強すぎた。一人一人は上手いと思います。ですが自分を出しすぎでした。しかし、嵌れば化けますね。弦楽器はダメですね。」


「最後はガードナー家のグループ。ガードナー様はソプラノでした。力強い高音でした。ルナリー、良いライバルですよ。」


ジョージは私を見る。


「テノールも声量がありバスもしっかりとピッチ取れてました。ネックはアルトかな。少し弱い。ピアノは上手かったし弦楽器も管楽器も良かった」




ジョージは皆を見た。


「この前助けて貰ったお礼が少しは出来たかな?」


とニッコリ笑った。




「気にするなよ!ジョージ!」


ルイスはジョージの頭をグリグリと撫で回す。


「でも、ありがとう。そうかテノール上手いんですね」


クライスは闘志に燃えている。




「力強い高音か。でもバランス大事だからなあ。頑張りすぎても浮くだけだ」




「私がポイントですわね。アルト。もっと上手くなりたい」


「バスもね。低音2人にかかってるよ!」


カインとキャサリンは頷く。




「最初の掴みも大事です!私。本当に頑張ります!」


エミリアも気合いが入っている。




「ところで何で2人で偵察に行ったの?」


クライスが不思議そうに聞く。




「それは、、私達小さいから」


エミリアとジョージは恥ずかしそうに俯く


「僕ら目立たない身長なので」




エミリアは150センチくらい。ジョージも155センチくらいなのだ。何時もチェロが歩いている様に見える事は決して言えない。




うーん。まあ確かにそうかも知れなけど。


2人共弱いんだから危ない事禁止令を出しといた。

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