第2話~運命の人~

 彼女とジェフが運命の出会いをしたとき

 私は彼女と一緒にいた

 モデルクラブから出来レースのミスコンに出てくれないかと頼まれた彼女は私を誘った。

 小さなホテルのOPEN記念のミスコンらしく、報酬は約3時間で1万円、パーティーを兼ねてるので食べ放題、お土産付き

 友達も誘うようにとのことで、私まで出場することになった。

 ホテル関係者(スポンサー)の親族が1位から3位までは確定しているという、グレーなミスコンなのでアルバイト感覚で出場する

(出場者は公募での約30名)


 名目上招待客の投票で決定したのだが、だれがみても"純子"が優勝すると思われてたはずなのに彼女は4位(出来レースなので当然)

場内に軽くブーイングがおこる

 しかも私まで6位に入賞することになり、二人で笑い転げた


 そのバイト代でたまには贅沢しようとホテルのBARに行ったことが彼女を苦しめることになるとは思ってもみなかった…


 ◇◇◇



ジェフが帰国して1年後



 再度来日するというので彼女は大阪にやって来ていた

 空港での劇的な再会を夢みてた彼女の思いは打ち砕かれることになる


 ジェフは母国では違法ではない大麻を所持していたのだ、その後入国が許されることなく強制送還されることになる。


 福岡で生まれ育った私は離婚後大阪で仕事をしていたので、彼女を受け入れて女2人の生活が始まる。


 不幸な2人の生活は優しいものだった


 20代後半にさしかかっていたが、2人は愛を求めて精一杯生きたのです。


 手っ取り早くお金を稼ぐために、夜の街で働くようになっても益々美しさを増した彼女に言い寄る男はたくさんいたが、彼女の心にいるのは優しかったジェフただ1人だけ

 飲めないお酒を飲まされて深夜に帰宅した彼女が泣いているのを何度も見かけたが、掛ける言葉もなくそっと見守るしか出来ない自分が情けなく思えた。


 


 その彼女がお金を貯めてアメリカへ旅立ったのはそれから約半年後


 片道切符ではビザが降りないと言うことで

 帰るつもりもないが帰国のチケットを持って彼が待つCHICAGOに旅立った。


 わたしは青い空の上を自由に羽ばたく鳥のように見えた飛行機を見送りながら彼女の幸せを祈った。




 しばらく経って、私の元にエアメールが届けられた私の大切な親友"純子"からだった。


 純子・安田・ホーキンスと言う名前が記されたその手紙を胸に抱いて遠くにいる大切な友達に祝福の言葉をつぶやいた

『きっと幸せになれると信じていたよ

 おめでとう』


 ハロウィンで撮ったと思われる写真もそえられていました。

 ゾンビの扮装で笑うジェフの横でシンデレラの仮装をした彼女はまさにプリンセスだった。



✮THE END✮




 


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