2020年3月
ライターとしての退化
ライターを始めた当初から面倒をみてくれているクライアントの記事の執筆数が、段々と減ってきていた。2月はついに2記事だけ。そのうち1記事はまだ修正対応中だから、正確に言えば1記事しか完納していない。あとは、新しいクライアントの記事ばかり書いている。
その方が、今は稼げると考えたからだ。
長い間面倒をみてくれたクライアントのディレクターは言う。
「将来的にはプラスになる。今は辛酸を嘗めるべき」
僕が月給労働者だったとしたら、諸手を挙げて「がんばります!」と言うだろう。だけど僕は月給労働者じゃない。数を書かなければ稼げない。クオリティを追求しはじめてから稼ぎは三分の一になり、かかる時間は三倍になった。だからこれまで仕事の受注先を増やせず、生活も成り立たず、親に金の無心をしながら生きてきた。
今が成り立っていないのに、将来のことなんか考えられない。
将来に前向きになり、将来のことを第一に考えて行動することができるのは、現在が保証されているからだ。現在が保証されていない状態で将来のことを第一に考えようと言われたところで、何にもならない。理想を語るだけなら誰でもできる。
僕が努力すればいいだけの話だと言われるかもしれない。
じゃあ、努力するための時間は? 金は? どこからわいてくるというんだ。どこからも湧いて出てくるわけがない。努力するには収入が減っても良いと思えるような安定した収入と安定した暮らしが必要だ。
僕は今、以前からのクライアントの記事に全く手を付けられていない。現在を安定させるための仕事ばかりしているし、そういう仕事を増やそうともしている。それは、僕がライターを始めた当初の稼ぎ方だった。確かにそれで結構稼げていたが、時代はどんどん前に進む。簡単に書ける文章では、1日に何本も書けるような記事では、検索結果上位には表示されない時代になる。
ライターとしては、確実に退化している。
しかし、退化しなければならないのは「クオリティを追求しながら稼ぐ」という両立が成り立たないからだ。
という愚痴。
これこそが時間の無駄だ。ライターとしての退化だ。あーあ。ダメだダメだ。推敲の勉強して寝よう。
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