【失敗】なんでもポジティブ脳内変換作戦
僕は表面上は明るくポジティブに振る舞っているけれど、実はネガティブだ。長年の付き合いがある友人らはよくわかっているようで、妙に明るすぎるときは逆に「どうしたん」と言ってくることがある。
そんな僕は「なんとかなる。なんとかする」と口癖のように言っている。ネガティブ男にしては前向きな発言のように感じるかもしれないけれど、別に前向きな意味で言っているわけではない。
なんとかなる。(と思わないと気が狂う)
なんとかする。(なんとかしないと終わる)
うん。
要は誤魔化しだね。心の中に常在する不安をどうにかして忘れようとするために、前向きな響きの言葉で取り繕おうとしている感じ。風呂敷に包んだ上で家具と家具の隙間にわざと放り込み、放置するようなもの。なんとかする、と言いながら行動が伴わないこともよくある。
これはなんかよくないなあと思い、ある作戦を立てた。
なんでもポジティブ脳内変換作戦!
何があったとしても全てをポジティブに変換してしまおうという作戦だ。
たとえば、物が壊れたら「新しいの買えるやーん」と変換する。店に忘れ物をしたら「歩いてカロリー消費できるやーん」と考える。自分の身に降りかかる不幸や災いを全て「良いもの」に変えてしまうのだ。
まあ……失敗したんだけどね。
無理。無理だよ。ムリムリムリムリかたつむり。新しいの買える? 買う金ないよね? カロリー消費? 徒歩移動は言うほどカロリー消費されないよ。ポジティブ変換する自分を、違う自分がことごとく潰してまわる。
僕の中には第三者が住んでいる。僕を冷静にさせてくる第三者だ。
たとえば涙が流れたとき、第三者が泣く自分を見ている。急に冷静になり、僕の涙は5秒くらいで止まる。
彼が僕の中にいる限り、僕は無理矢理自分を取り繕うことができないのかもしれない。極端な取り繕い方じゃなければ成立するけど、完全にポジティブ変換するとかは無理なんだろう。
ただ、ポジティブ変換作戦は暗示にかかりやすい人にとっては結構効果があるらしい。
「わたし暗示にかかりやすいんだよねー」という人は、やってみても良いのかもしれない。
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