第129回 物語の設計はどうしていますか?
アンケート129回目。今回は書き手の皆さんに、物語の設計について聞いてみました。その結果はこちら。
書き手の皆さんに質問です。物語の設計はどうしていますか?
ミッドポイントとか文字数もしっかり調整する 0.0%
あえて基本を外しています 22.2%
出来る要素だけそう言うテクニックを使っている 55.6%
何も考えていません 22.2%
最終投票数は9票でした。
私が少し前に創作論関係を貪るように読んでいた頃、アメリカでの映画の脚本の創作法を日本語訳したものを読んでいる人の、やたら小難しい技法を説いている記事を目にしたんですよ。最初の何分までに客の心を驚かせ、クライマックス直前に裏切らせ、最後にハッピーエンドに持っていく――みたいな。
普通の人はそれに感銘を受けるんのでしょうけど、ああ、だから洋画の一般向け大作の展開はみんな似たりよったりなんだなって私は思ったんですよね。
そう言うお手本に則った作品は、確かに面白いのですけど、展開が読めてしまいます。テンプレですから。ラノベのテンプレと大して変わりません。だから大体の作品は心に残らないんです。見ている時に興奮するだけ。お菓子みたいな作品ばかり。何でかなと思ってたんです。その答えのひとつがここにあったんですね。
だから、その方が多くの人に受けるのだとしても、そんな刹那的な面白さの法則に従うのもつまらんなと思って、深く学ぼうとは思いませんでした。
と言う訳で、軽く何かをディスってしまいましたが(汗)、私が自分でこのアンケートに答えるとするなら『何も考えていません』を選ぶかな。いや、起承転結の流れも分かるし、無意識には使ってますけど、感覚で全部書いてますね。どう言う展開になるかは書いてみないと分からないと言う。話が降りてくるタイプにはありがちです。テケトーとも言いますが。
ただし、この書き方は読者にはやさしくありません。作者が好きに書いているだけですからね。だから全く受けないのでしょうな。ガッハッハ。計算で書く人ほどサービス精神が豊かなのだと思います。常に読者の事を考えて書いているでしょうからね。サービスサービスゥ!
で、アンケートなのですけど、一番得票率が高かったのは55.6%の支持を得た『出来る要素だけそう言うテクニックを使っている』でした。これはすごく凝っていると言うほどのものではなく、やんわりと感覚的に法則に従っていると言う事なのでしょう。ある意味無難な選択だとも言えます。シーン辺りの文字数まで厳密に計算までして作品の流れを整えたりはしないと。
やっぱり、そこまでガチガチに固めすぎちゃうのも違う気がしないでもないですものね。小説は短歌や俳句じゃあないんですから。
次に多かったのは、得票率22.2%の『あえて基本を外しています』と『何も考えていません』でした。このふたつの項目が同率と言うのも面白いですね。基本を分かった上で外すのと、敢えて何も考えていないと言うのは、基本から外れるのも構わないと言う点において似た者同士なのかも知れません。
これらを選んだ人の作品が大人気だとさらにかっこいいのですけどね。どうなのでしょう。基本を外した作品は邪道とも言われますけど、邪道で人気ってかっこいいですよねぇ。
最後に誰も選ばなかったのが『ミッドポイントとか文字数もしっかり調整する』でした。そう言う風に創作する人を知っていますから、1票くらいは入ると思っていたのですが、私のアンケートに答えてくれる人の中にはいませんでしたね。うんうん、なるほど……。
厳密に計算して書く人の作品は安心感がありますよね。そして、きっと読みやすいと思います。人気にもなるんじゃないかな。ただ、少しばかり心に残りにくいと言うだけで(汗)。
全体的に言うと、物語の流れの法則は分かっているけどこだわり過ぎない人が多いと言う感じでしょうか。趣味の創作ですし、自分の書きたいように書くのが一番ですよね。楽しいですし。
ただ、プロを目指して計算に計算を重ねる精密機械のような人が1人くらいはいても良かったのになと思ったりはするかな。
と言う訳で、今回の最終投票数は9票と、今回は残念ながらギリ10票に票に届きませんでした。残念。次回は何とか10票以上集まって欲しいところ。
今回もアンケートに参加してくださった皆さん、有難うございました。
さて、次回は、作中の人称とか文体ついてのアンケートになります。こちらも、よろしければ気軽に答えてくださると嬉しく思います。
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