第39話ユーリとイザベラその3
「ッと…わっ!」
転移したのとほぼ同じタイミングで黒い炎の塊が顔の脇を掠め後ろに広がる森林が消し飛ぶ。
「…いったい何が?」
辺りは焼け野原あちらこちらで炎が上がり地面には爆発した傷跡が多数見受けられる。
「…なんだ魔王とでも戦ってると言うのか?」
ユーリがここまで本気になる相手に戦慄を覚えながら戦場と思われる山頂に向かうのだった。
山頂では互いにボロボロになりながらも相手に隙を見せずに攻撃し合う一匹と一人がいた。
「フレイムブレス!」
羽は穴が空き空が飛べなくなり、片方の牙を失いながらもユーリはイザベラにブレスを吐きかける。
「くっ!シャドーミラー!」
影を操り反射魔法でブレスを反射しようとするが完全には反射できず左腕が炭に変わる。
イザベラは吸血鬼の力で怪我をしてもすぐに回復するはずだったが、ユーリに突き刺された牙の力で思ったような回復ができなくなっていた。
「ぐっ!」
反射されたブレスをすんでのところでかわすもダメージを受けてしまう。
「「はあはあはあ…」」
お互い疲弊し同じ結論に達する。
≪次で決めるしかない≫
ユーリは人化の要領で竜と人の中間のような形態をし全魔力を右腕に集束する。
イザベラは周囲の影を纏い同じように右手に魔力を集束する。
「わが敵を喰らい尽くせ【ドラゴンファング】!」
「わが敵を穿て【シャドースパイク】!」
龍の形をした魔力の塊がイザベラを襲いその龍ごと穿とうと周りの影を集めながら錐のようになった黒い闇が突き進む。
「【シャドーミラー】!…お前ら何やってんだ!」
突如現れた男がぶつかり合う魔力を空へと反射した。
相手のみに集中していた二人は虚をつかれ。
「お前ら正座!」
ディアスから拳骨を喰らうのだった。
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