第37話ユーリとイザベラその1

ディアスに遅れる事三日、イザベラは平原を越え山岳地帯に入っていた。


「何…あれ?」

山の中腹に差し掛かった時ふと見上げると山頂付近に見知らぬ建物がそびえ立っていた。


一応元王国の人間として見過ごす事ができず、ついでに調べる事にしたのだが…


「…ん!?…クンクン…ディアス様の魔力におい!」


建物に近づくにしたがいディアスの魔力の残淀を強く感じるようになりしだいに足が早くなる。


たどり着くとそこにはモグモグと口を動かすドラゴンユーリのみ。

さっきまでユーリとふれ合っていた?ユーリからはディアスの魔力においが色濃く残っていた。

ゆえに…


「…貴様トカゲ!何を食べている!」

ドラゴンにディアスが喰われたと考えても仕方ないといえるかもしれない。


ユーリはというディアス達を見送った後魔王の命令で偵察にやって来た魔族を捕獲及び咀嚼しているといきなり魔族の女が凄い剣幕でやって来たという状況である。

したがって…

「小娘…我がトカゲだと?」

ディアスの改造?のおかげで龍の時でも流暢に話せるようになったユーリはイザベラを敵と判断してもしょうがないだろう…


「「殺る!」」


こうして二人の争いで山の周辺に大規模な爆発が相次ぎ王国や近隣に逃げてきた魔物の被害が続出。

後にギルドの依頼で原因究明に来たディアスに止められるまで二人の争いが続いたそうな。



余談だがこの事が原因でバルカス達の王都からの帰還が大きく遠退く事になったとか…

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