第36話気がつけば同類

「…ディアスに鱗剥がれたの…」


「…うんうん痛かったねぇ」

ユーリを慰めながら頭を撫でる。


「…変な薬も飲まされたの…苦かったの…」

「うんうん」


「…血もとられたの…」

「うんうん…?」


なんか覚えがあるような…?

ユーリの愚痴研究内容を聞いていると身に覚えがあった事ばかりだった。


「…師匠…まさか研究とかされてないですよね?」

ディアスの顔を見るが目をそらされる。


「あれは病気とかしてないか調べただけだぞ」


「…目を見て喋って下さい!」


「…少しだけ」


「…あんた鬼か!」


「いや…悪魔けんきゅうしゃだ!」


…なんか今違う言葉が見えたような。


「おかげで強くなったんだから良かったじゃないか」


「…本当に悪魔に魂売り渡したような気分なんですが…」


「魂は取ってないぞ?」


?」


何かされてるんだこの体!


「ユーリもそんなに拗ねるな。お前ももっと強くしてやるから」


「ホントなの!?」

ぐったりしていたユーリが飛び起きディアスに駆け寄る。


「…」

さっきまで落ち込みようはなんだったんだ…

と一人取り残されるシリウスだった。

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