第32話1000年研者と迫り来る厄災(笑)
事件から1週間オクライン家の劣り潰しやら協力者の炙り出しがようやく片付きディアス達はナジャの町へと帰路についた。
「シリウス…」
「姫様!」
自室の窓際で物憂げに馬車を眺め惚けているレフィーナにイザベラが語彙を強めて声をかける。
「…何よイザベラ」
少し不機嫌に返すが思いもよらない発言に絶句することになる。
「この度はお暇をいただきたく…」
下膝を付き頭を下げるイザベラ
「……え!?」
王家に長年仕えきた侍女の発言に姫とは思えない声があがる。
イザベラはライーザ王国建国当初からこの国に仕えてきた、いや建国前から国王に仕えてきた。
元々ベルシュと言われる王国の一貴族であった初代国王ライーザが悪政を敷く王を討ち建国したのがここライーザ王国である。
イザベラは王と共にベルシュ王を討ったとされる英雄だったが本人は目立つのを嫌い、
「私は長生きだからただの侍女として王国を支えますわ」
と約500年の間王族の教育係として君臨していた。
ある人物にとっては畏怖の象徴…となっていたが概ね王族にとって第2の母のような存在であった。
その彼女が突如辞めると言ってきたのだ驚かない訳が無い。
「な…何故?」
「私…これからは愛に生きようと思いまして…」
「愛!?」
またも思いもよらない発言にすっとんきょうな声をあげる。
「あ、貴女確か年上が好みって…」
齢500歳以上の彼女より年上というとエルフか
「はい❤私より年上の人族の方です❤」
いつもキリッとしたイザベラがニヤケ顔でクネクネしている。
「人族で…年上…?」
それはそれでバケモノでは…
「ひいっ!」
と思考した瞬間恐ろしいほどの殺気が襲う。
「私のダーリン(予定)の悪口はいくら貴女でも許しませんよ?」
ニヤケ顔から一転いつもの…いやいつもより鋭い目付きで睨みつけていた。
(いや!口に出して無いですけど!?)
「すみませんでした…」
謝るしかできなかった。
二日後引き継ぎを終えイザベラは王国を旅立って行ったもちろんディアスを追いかけて。
「ディアス様❤今からイザベラが行きますわ❤」
500年溜め込んだ情欲がディアスに向かう。
「…!?」
急に寒気を感じ辺りを見回すディアス。
「なんだ?なんか悪寒が…」
言い知れない不安が押し寄せて来るのであった。
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