第26話その頃車内では…

「あの~ご趣味は…」

顔を赤らめながら上目遣いにたずねる。


「剣術と 魔法を少々…」

見学とはいえ依頼人の質問を無下にできず律儀に答えるシリウス。


解答をメモするセルジオ…

…ナニコレ?


「ご家族は…」


「シーナ…妹が一人います。」


「まあ!妹さんがいらっしゃるんですね!私は兄が二人に姉が二人で末っ子なんですよ!弟か妹が欲しいなと常々思っていたんですよ!」


…キッ!


ゾクッ!


「あの…なんでイザベラさんは私を睨んでいるのでしょうか?」


「…ナンノコトデショウカ?」

何故片言?


「イザベラ!もう!この子私が男の子と話してるといつもこうなのよね…」


いつもこんな殺気出してるんですか?


外は敵がどうと騒いでいる中馬車の中は何故かお見合いのようになっていた。











「ん!馬車を止めて!!」

山岳地帯に入って二日目

シリウスの声に反応し御者が馬車を止める。

するとすぐ先岩が落下してきた。

「…危なかったわね!」


「大丈夫ですか?」

バルカスが心配して声をかけてきた。


「ああ、問題ない」

岩をどけるとまた移動を始めた。


(馬車の中なのに岩が落ちてくるのを察知するなんて…)

レフィーネ達の評価が凄い勢いで上がっていくが…


(師匠警告ありがとうございます。皆さん無事です。)

ディアスからの指示だったりする。









「え!?見てたんですか!?」

山頂に差し掛かった頃孤児院から修業風景を見ていたという話題が飛び出した。


「ええ。今護衛している方にボコボコにされてるのを毎日見てましたよ」

そういわれてシリウスは赤くなる。


「もう…恥ずかしいな…」


「何を言ってるんですか!ボロボロになりながら立ち上がる…あなたは中々かっこよかったですわよ」


「…え…そうかな…?」


「それに最近は一方的に負けることも少なくなってきたじゃないですか」


「…あの、…その…ありがとう…」

何となくそう返すシリウス。

自分の努力を見ていてくれたという事がとても嬉しかった。


「…」

自分の台詞を冷静に考え少し恥ずかしくなり目を逸らす。



馬車の中が桃色になっている時に外では神獣出現でてんやわんやなのだが…

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