第23話魔族の末路

「敵は殲滅したからもう大丈夫」

警戒にあたっていた他のメンバーに説明する。


「…さっきの爆発はそれか…」

あの規模だもんな…



「それにしても貴族に兵士が何でこんなとこに?」


「俺の魔法だと敵に認定されていたから俺たちを待ち伏せしてたのかも知れないが…俺たちが行った時にはもう魔物に殺られて全滅してたから詳しいことはわからん」

少し違うが目的がわからないというのは事実である。


「…」

無言で頷くアッシュ。


「…とりあえず安全になったのなら進みましょう?」


「そうだな」


何人か腑に落ちないという顔だが移動を再開することにした。




「…くぅ…よくも!…」

山岳地帯に焦げてズタボロになった人影が倒れてはいた。


自称魔王の一の子分。隕石魔法が炸裂した瞬間に転移魔法を発動し命かながらでこの場所に逃げて来たのだった。


「あの男…一体…何者だ!」

浮かぶのは最後に出てきた男。

…アッシュである。


「まさか…アイツが…勇者?」

…違います。

そもそも攻撃した人も違います。


「くっ!こんなとこに何故勇者が!」

だから違うって!

と悪態をついている間に辺りが暗くなってきた。


「ん?もうそんな時間…」

バクッ!

何かに噛みつかれる。

「な!」

抵抗することもできずにそのまま咀嚼される…ナナシ魔族

ゴキ!バキ! ゴクンッ!


彼の不幸は魔法ばくはつの影響で耳が使えなくなっていて、後ろから来た者の音に全く気がつけなかった事。

もっともディアスに出会った事が一番の不幸かも知れないが…


「ゲブッ!」

食事を終えて一息つく山のような影。


翼を広げ山頂の方へと飛んでいった。


この山最古と言われる最強の生き物

1000年生き格の上がったドラゴン…千年龍と言われる神獣である。

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