第21話敵の敵はやっぱり敵
一日目は特に敵が現れる事もなく街道の脇で野営をすることになった。
「今日は何も襲って来なかったな」
火の番をしながらバルカスが呟く。
「まだ平原だからな…狙われるとしたら明日通る森の辺りからだろ?」
見通しのいい平原で襲撃するのは難しい。狙うなら森かさらに先の山岳地帯だろう。
「だが魔物も少なく無いか?」
盗賊などの人間なら襲って来る可能性は少ないが本能で動く魔物なら話は別だ。
「…そういえば今日は魔物もでなかったな」
アッシュも首を捻る。
「…上位の魔物が何処かに集めているのかもな」
火の番をしている二人の後ろから人影が現れる。
「!あ…兄貴か…」
戦闘体勢に入るもディアスだと気がつき力を緩める。
「交代の時間だぞ」
「了解です」
バルカスはテントに入っていった。
「ディアスさっきの話は?」
「…ああ、魔物も縦社会だからな上に言われれば集まりざるをえないだろう?」
「つまり道中でその魔物と戦う事になると?」
「それはなんとも、奴等が何処を狙っているかわからないし…だが王都を狙うならぶつかる可能性は高いだろうな…」
向こうが先に王都に着いて討伐されない限り戦う事になるだろう。
「それは…なんとも割りに合わんな…」
アッシュは苦笑いを浮かべた。
次の日
魔物が襲って来なかった為一行は予定より早く森へと到着した。
「…ん?…みんな止まって」
ディアスは索敵魔法を使う。
「敵が…200!?」
その言葉に唖然とする面々。
「あれ?どんどん数が減ってく?」
「アッシュ!ちょっと来てくれ!他のメンバーはここで待機辺りに注意を払っておいてくれ」
アッシュを連れ反応があった範囲を偵察する事にした。
「見つけた!」
馬を降り歩くこと30分…索敵で見つけた敵の場所を見渡せる位置に来た。
「魔物と兵士が戦ってる!?」
「早く助けないと!」
弓を構えるアッシュをディアスが止める。
「何で止めるんだ!」
ディアスに食って掛かる
「あいつらどっちも敵だ…」
索敵魔法は周囲の存在に対し色で表示される。敵意、悪意を持っているものは赤、善意、好意的なら青、特に強くどうこう思ってない中立的なものは白と表示される。感知したのは敵の反応のみ味方及び中立の反応はなかった。
「え!」
「恐らく待ち伏せしていた所を魔物の軍勢とかち合ったんだろう…」
助けたとしても裏から刺されては目も当てられない。
「…とりあえず様子を見るか」
最初200あった反応は魔物が約120兵士は30ほどにまで減っていた。
「クソッ!何でこんなときに!」
オクラインは剣を振りながら悪態をつく
。
偵察に向かわせた兵士が魔物の群れを見つけ
帰還したが…
「この馬鹿が!つけられおって!」
その兵士は弁明の時間もあたえられず首を切り落とされた。
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