第15話1000年研者の弟子の初恋その3
「ではこちらへどうぞ…」
セルジオが馬車に乗るようシリウスを促す。
「お、お邪魔します…」
初めて馬車に乗るシリウスは緊張しながら中に入っていった。
…得体の知れない子供を乗せるのに抵抗は無いんだろうか?
まあ本人がいいと言ってるならいいか。
「では俺たちも配置について出発しますか」
バルカスたちに声をかけ動き始める。
シリウスside
馬車の中にはメイド服を着た妙齢な女性とパーティーに行くようなドレスに身を包んだ少女がいた。
少女の方はキラキラとした視線を向けて来ており逆にメイドの方からは殺気に似た視線を感じる。
…俺何もしてないよね?
「よろしくお願いします♥」
「…」
メイドから無言の圧力がかかる。
「え!?あ!?よ、よろしく…?」
…なんかわかんないけど…師匠…助けて!
ディアスside
「周辺に魔物はいないようだな」
索敵魔法を使い周囲に敵影が無いことを確認する。
「やっぱり魔法は便利ねぇ…使えればね」
エリーがエミーを見る。
「どうせ私は攻撃しかできないわよ!」
何度も同じ事でからかわれているのかエミーがキレる。
「おい!近くに魔物がいないからって気を抜くなよ!盗賊や、野性動物はいるかも知れないからな!」
バルカスが二人を叱る。
「アッシュ近くに何かいるか?」
「…視界にはいないな。」
「よし、出発!」
こうして護衛依頼が始まった。
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