第8話1000年たてば貨幣価値も変わってる
建てたばかりの家は木材のいい匂いがした。
「んー特に不具合とかも無さそうかな?」
ドアや窓の建て付けや蛇口(魔道具)などを点検する。
「今日はこのまま休んで明日は足らない家具とこの子らの服を…アリーにも必要か」
今アリーが着ているのは俺のお古のローブを仕立て直した奴で服は俺のお手製。付与はしてあるから強度や清潔さは問題ないが町を歩くには微妙だろう…
「ディアスの服好きなのに…」
嬉しいこと言ってくれるね…少しうるっときた。
「お前も年頃の女の子なら少しはおしゃれしないとな」
「…うん」
「エヴィ、この子たちの登録頼めるか?」
「ああ、かまわねぇよ帰ったらやっとくさ」
「あ、そうだこれを渡しとかねえと…」
エヴィは収納から書類を取りだし俺に差し出した。
「なんだ?これは?」
「土地の権利書だよ、忘れたのか?」
「言われてみれば…見覚えがあるな。」
「ずっと収納してたから傷みは少ないはずだ」
1000年預かって貰ってたお礼に収納から金貨を1枚取りだしエヴィに投げ渡す。
「これで上手い酒でも飲んでくれ」
「…ありがとよ」
といい受け取った金貨を眺め…表情が変わる。
「おい…この金貨1000年前のか?」
「…ん?ああ?町を出たときに持ってた奴だからな…もしかして貨幣変わった?」
1000年たてば貨幣が変わってる可能性もあるだろう…もしかして無価値なんだろうか?
「いや、貨幣自体はそのままだが金貨は金の含有量が変わったんだ。」
「金の含有量?」
「ああ、800年前ぐらいから金の取れなくなってきてな旧金貨に比べて半分も入っちゃいない」
「残ってた旧金貨も溶かして作り直したからなほぼ残ってないだろう」
「ならこの金貨は…?」
「金だけの値段とは別に歴史的価値が凄まじい…1枚で億を超えるかもしれん」
「…マジか!?」
後4枚あるんだが?4億!?貯金と合わせて5億超え!?
「王都のオークションにでも出せばいい金になるんじゃねえか?」
と返そうとしてくるエヴィに金貨を突き返す。
「それはもうエヴィの物だ男に二言は無い。」
俺の顔をじっと見て諦めたようで少し笑った。
「…わかったよ」
と受け取った。
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