第7話1000年たってれば何か住み着いてる。

「さてと日が暮れる前に家を作らないとな…ん?」

瓦礫の中で何かが動いた。


「何かいる?」


「ん?野良猫かなんかか?」

とエヴィが返すが…


「いや、魔力を感じる…おそらく子供かな?」


その声に反応したのか瓦礫の中からボサボサの髪をした5.6歳の子供が出てきた。


「で…てけ!」

声の感じからすると男の子か?

瓦礫の中から拾ってきたと思われる棒を構え大声で叫んでいる。


「出てけと言われてもここは俺の家なんだが?」


「う、うるさい!」

殴りかかってくるが難なく避ける。


「そんな大振りだと当たらないぞ?」


と言いながら視線は彼の後ろに向ける。

さっき感じた魔力は向こうの方か?


「あの子は妹かな?」


「!シーナに近づくな!!」

動きがさっきより鋭くなる。


ん?あの子様子がおかしくないか?

影になってて見えづらいがかなり顔色が悪い

「あの子病気じゃないのか?」


「え!?」


気づいて無かったのか?


駆け寄るのとほぼ同時ぐらいにシーナと呼ばれた女の子が崩れ落ちた。


「おい!しっかりしろ!えーと確か収納の中に万能薬が…あった!」

瓶の蓋を開けるとゆっくりとシーナに飲ませた。


俺の万能薬は市販されている名前だけの(と言ってもそれなりに効果はあるが)万能薬とは違いで万能薬である。その分コストが100倍以上かかるんだが…


シーナの顔色がみるみる改善し安定した寝息が聞こえてきた。


「もう大丈夫かな…」

シーナを抱え大樹の木陰に寝かせる。


「シーナ!!」

持っていた棒を投げ捨て駆け寄る男の子。


「しー…今寝てるんだから騒がない…」

と小声で注意すると手で口を塞ぎこくんと頷く。


「さーてと今のうちに家作るか…」


「まずは瓦礫を収納して…」

異空間収納に瓦礫を放り込む。


「整地して…」

火炎魔法と風魔法で雑草を刈り取り燃やし、土魔法で辺りをならす。


「材料を取り出して…」

収納から木材、石材、鉄材、珪砂等建築に必要なものを取り出す。


「あとは…」

ちらっと木陰にいる子供たちをちらっと見る


「少し大きめに建てるか…建築魔法ビルドアップ


材料が光混じり会うようになって数分二階建ての屋敷が完成した。

部屋は2階に3部屋1階に3部屋の計6部屋他に食堂と風呂トイレは二つ作った。


「…よし完成!」



「「………」」


「ん?どうしたエヴィと…少年?」

名前をまだ聞いてなかったのでとりあえず少年と呼んだ。


「「な…なんじゃこりゃぁぁぁぁ!!!」」

あ~シーナが起きるって…

エヴィと少年は腹のそこから叫んだ。





「…ん?…どうした…シリウス?」

ほら起きちゃった…


「あ、シーナ!」

「…あれ?体が痛くない?…息も苦しくない?」

起き上がり体を動かし信じられないといった顔をしている。


「何処も痛くない!怠くない!」

よほど嬉しいのだろうぴょんぴょんと跳び跳ねている。


「あんまり無理するなよ?強い薬を使って回復させたからそれなりに反動が来るぞ?」


「…誰?」

少年シリウスに問いかけるが名前を聞く前に襲いかかったので返す言葉が無い。


「えーと…」

どうしようと困ってる…おい!なんでこっちに助けて見たいな視線を向ける!


「はぁ…俺はディアスこの家の持ち主だ」


「え?」


辺りを見回しそこが自分達がねぐらにしていた廃墟だと気がついたようだ。


「こんな家さっきまで無かったのに…」


「今建てたからな」


「…では私たちは出ていかなくてはならないんですね…」

さっきまでもテンションはどこかに消え失せ悲しそうに呟いた。


「いや?お前たちの分も部屋を作ったから住んでもいいぞ?」


「「え!?」」


「ただじゃ無いぞ?ちゃんと家の手伝いはしてもらうからな!」

「「はい!!」」


「ディアス!家具置いたよ!!」

2階の窓を開けアリーが手を振る。

…いつの間に


「おう!お疲れ様!」

そういって3人は中に入っていった。



「…俺を置いてくな!!」

ようやく再起動したエヴィが少し遅れて家に入っていった。

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