第6話1000年振りの帰宅

エヴィに連れられ旧市街の一角にやって来た。

「おお!…ここまで来れば…見覚えのある建物が…無い…」

相変わらず見覚えのある建物は一切無い。


「…まあそうか…再開発も1度2度じゃ無いからな」


「う~なんか帰ってきた気がしない…」

もはや初めて来た新しい町という感じだ。


「しょうがねぇだろ…っとここだ!」

そこにはバカデカイ木と瓦礫の以外は見当たらなかった。


「あれ?こんなに広かった?後あんな木あったっけ?」


「お前実家の隣にあった家の土地も元々お前の土地だったからな倍とは言わないが1.5倍ぐらいにはなってる」

そう言えば叔母にただで貸してるとか言ってたな。


「…それとあの木はお前が植えたと言ってたやつじゃ無いか?」

俺が?

「…!あの幼木があそこまでデカくなったのか!!?」

確かに小さい頃母が好きだったと言っていた幼木を家族で植えたけど。


「…1000年か…」

大樹へと育った木を見つめ1000年という時をようやく実感した気がした。


「…ただいま」


(お帰り)


空耳かも知れないが両親の声がした気がした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る