なぜか大学の授業で隣にいるひととの関係性を答えさせられ、そのあとそれがとっても気まずくってある種の話し合いに入るカフェが赤みがかってブラウンの、ゆめ。

 大学の授業を受けていた。

 上智大学の九号館の七階だかあたりのたしか701だっけな、名前は曖昧だけれども、ともかく「キリスト教文学」の授業を中心に受けていた教室だ。

 マットだったり壁だったりがなぜだか全体的に淡いグレーの印象のある教室であった。


 大学の教室ではあったが、いっしょに受けていたのは、高校の友人と――彼氏だった。

 右から二番めのテーブル。隣に友人、後ろに彼氏。


 和やかな授業だった。

 名前も存在も知らないけれど、講義をしていた丸眼鏡の女性の先生がなにかを高らかに問うた。

 私ははーい、と高く手を挙げた。

 なにかを問われて、なぜか答えた。

「はい。知り合いはこの教室にふたりいます」

「なるほど? どういう関係なのか、お聞きしてもいいでしょうか?」

「ひとりは、高校時代の友人。いま、隣にいるこのひとです」


 なぜだかおおうっ、と教室がひとつとなってどよめいた。


「もうひとりは、高校の後輩です」


 声は、上がった――だがその声はまばらで、……こんどは教室がひとつにはなってなかった。

 焦った私は彼に「ねっ? ねっ?」と問いかけるが、彼は「ああ」と言うばかりなのであった。

 教室みんなわりと注目していたわけだけど。


 じっさいの彼は、人前では周囲を見て気を配ったり、すごく愛想がよくてとても適切にふるまえるひとなので、……だからつまりそれは夢だった、ということだろう。

 夢というのはほんとうにふしぎだ。たしかに頻繁に――そのひとをみる、みている、……かもしれない。


 そして、夢の続きとしては、彼との共通の友人でもある後輩ちゃんも交えてお茶をすることになり、

 後輩ちゃんな彼女が、夜までいるならいったん帰りますと言って、なぜか四時間かけて野菜をカゴに積んで自転車で行って帰ってくるという(彼女はしばしば長い距離を歩いて帰ったり自転車を漕いだりしているそうなので、私にとって彼女がそのような印象があるというのはまあその当然というか。交通費浮かすためとかゆったって、数駅ぶんてくてく歩くのすごいね。彼女と仲よくなるまで私はそういったことを好むひとがいることさえろくに知らなかったから、知れてよかったと思う、――私の場合は効率化ですぐに電車賃出しちゃう性質だから)。


 ファミレスだかカフェだかみたいな、ちょっと赤みがかったブラウンの店で、彼氏とふたり、待機した。

 ……授業をいっしょに受けていた友人はいつのまにかいなくなっていた。その、夢の、そのときからは。


「ねえ、ごめんね。みんなの前でそうやって思いっきり関係性とか、後輩とか言っちゃったの、嫌でしたでしょうか……」


 そんなようなところから話し合いがはじまろうとして――はじまる前に、私の意識は現実のひかりにのまれた。


 正直、ほっ、とした。

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