白詰草
白詰草
著:カイ 絵:ミズキ
_________
昔々、小さな村にミズキという女の子と、カイという男の子がいました。
2人はよく走り回って遊び怒られていた、仲のいい恋人たちでした。
その恋人たちはある日、村の長老に来世でも恋人でいたいかと聞かれました。
ミズキは素早くはいと答えました。続けてカイもはいと答えます。
長老は、シロツメクサの魔法について教えてくれました。
シロツメクサの花冠を被り、互いの小指を絡めて池の周りを3周する。そしてシロツメクサ越しにキスをすると、その恋人たちは永遠に結ばれるのです。
しかし長老は、言いました。
2人は来世で会えるとは限らない。ずっと会えないままだと存在が消えてしまう、と。
2人は、それでもいいと思いました。
2人はその後、長老の娘さんに花冠の作り方を教えて貰いました。
少し下手なその花冠を被った2人は、山の奥へ向かいました。
そこにある小さな池は夏になると蛍の綺麗な小さな池です。そこの周りを3周。
1周2周3周と数えながら2人で回りました。
回り終えた2人は、花冠のシロツメクサを1本引き抜いて、シロツメクサ越しにキスをしました。
来世でも会えたらいいなという思いを込めて。
それから2人は結婚をし、仲良くおじいちゃんおばあちゃんになるまで一緒に暮らしました。
そして2人は、何百年という時を越えて来世へと着きました。
会えないかもしれないという不安をおしのけて、2人は再会しました。(出来てたらいいな)
再会した直後、2人はもう一度シロツメクサ越しにキスをしました。
2人は、自分たちが運命で出会った相手だったと信じていました。
だからこそ、会えたのです。
来世でも2人は、おじいちゃんおばあちゃんになるまでずっとずっと一緒に暮らしました。
ずっとずっと、2人は仲のいい恋人でした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます