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「お~い! アキ~ こっち! こっち!」

「あっ! ショ―ちゃん、ちょっと聞いてよ」

「なんだよ、会っていきなり」

「ゲンタの事知ってる?」

「ゲンタってあのゲンタ?」

「そう、あのゲンタがさ~ 最近子分みたいなの引き連れて

えらく調子に乗っててみんな困ってるんだよ」

「困ってるって? どういうことだよ」

「この前もオレの友達の出店にゲンタ達がいきなり押しかけて

大量の果物や野菜をどこかで拾ったような小さなキノコ2つ

と交換しろって脅されたみたいなんだ」

「それで……」

「結局ゲンタの威圧感に押し切られしぶしぶ交換するはめに

なったみたいでオレの友達あまりにも悔しかったらしく泣くき

つかれてさ~」

「それはヒドイな」

「なっ! そう思うだろ」

「ショ―ちゃんの提案で決まった”おでこに札”もゲンタみたいな

ヤツには関係ないて言うかむしろ勲章みたいなもんじゃないの。

だからさ~ どっかに閉じ込めるとか罰与えないとこれからあんな

ヤツ増えると思うんだ、オレ的には」

「確かにアキの言うとおりかもな」

「そうだろ! だからショ―ちゃん何か考えてよ、前みたいに」

「分かった、考えとくよ」

「さすがショ―ちゃん! 頼りになるな~」

「まあな」

「じゃ、よろしく~」


(やれやれ困ったことになったな。でもオレ的には牢屋みたいな

のは反対で……)


「ちょっと!」

「あっ! ごめん、何?」

「何じゃないよ、その石とこれ交換してくんない」

「これはレアストーンだよ」

「分かってるよ、だからこんなに果物持って来たんだよ」

「あれ? キミ顔隠してるけどこの前も来たよね」

「人違いじゃない?」

「いや、絶対キミだ! だってあの時もレアストーンだったから

オレ覚えてるんだ」

「ははっ、バレたか」

「バレたかじゃないよ、当分キミとは交換しないって言ったよね」

「いいじゃんもう1つぐらい」

「ダメなもんはダメなの!」

「なんでダメなの?」

「バランスなんだよ、バランス。分かる?」

「バランス……?」

「つまり一部の人間に高価なレアストーンが集中するとロク

ことにならない気がするんだよ」

「もう少し分かるように説明してよ」

「少しは自分で考えろよ」

「それよりこの果物どうすんだよ、腐っちゃうじゃんか」

「みんなに配ればいいじゃん」

「なんでオレの畑でオレが育てたものをみんなに配るんだよ」

「みんな喜ぶよ~ きっと」

「もういいよ! 他当たるから。オマエって変な奴だな」


 そんな捨て台詞を吐きその村人は果物の入った大きな袋

を担ぎながら市場の奥へと消えて行った。


(思えば以前ソラちゃんとレアストーンの話したな~ あっ!

ソラちゃんと言えばこの前この辺で会ったよな……どこで 

寝泊まりしてんだろ? また会いたいな)

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