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 周りが一瞬パニックになりかけたが数名のおじさん達が

制止してくれたお陰でなんとか収まった。

 それでも「見て! 見て!」とばかりに若い女性達がレアストーンと

やらを僕の目の前に突き出すもんだから見ようにも近すぎて何が何だか

よく分からない。

「すみません、もうちょっと引いて下さい!」とお願いすると

なんとも綺麗な虹色に輝く白い石が目の前に!

「キレイでしょ!」

「はい、すごく綺麗ですね、オパールですか?」

「おぱーる?」

「はい、たぶんオパールだと思いますよ」

「ふ~ん、まだこれ以外に3つあるのよ!」

「へぇ~ お金持ちなんですね!」

「私なんか全然、全然、リサなんてもっと綺麗で貴重なブラック

ストーンホールダーだから私なんかとは格がちがうのよ」

「そ、そうなんですか」(なんかクレジットカードみたいだな)

 そんな会話を村の人々と交わしてると徐々に日が陰りだし

お腹も空いてきたので思わず時間確認しようとしたが瞬時に

手が止まった。

(やっばっ! こんな村で携帯電話ご披露したら大変な事に

なるとこだった。今のうちに野宿出来そうな場所聞いとくか)

 僕はおじさん尋ねようと振る向くと彼は僕に背を向け満面の笑みで 

手を振っていた。

 すると手を振る先からカラフルな羽を纏(まと)ったかなり派手めの 

ポンチョに身を包んだ3人組の若く綺麗な女性達がこちらに向かって 

小走りに近づいて来た。


「ショ―ちゃ~ん!」

「お~っ!」

「どうしたの? 最近来てくれないのね」

「ごめん、ごめん、明日あたり行くよ!」

「絶対来てねっ! 待ってるから! じゃ―ね~っ」


「お知り合いですか?」

「まぁそうだね、ハハっ」

「モテるんですね!」

「違う、違う、うさぎクラブの子だよ」

「うさぎクラブ?」

「お店だよ、飲んでお話してって……アレだよ、知ってるだろ?」

「キャバクラですか?」

「きゃばくらって言うの? よく知らないけどそんな感じかな」

「いいお客さんなんですね」

「今はどこのお店も大変でね……で、なるべく貢献しようと

ボトル入れたりレアストーンほどじゃないけど珍しい石

プレゼントしたり……色々とね」「この前もスイカジュース飲みすぎて

お腹ピ―ピ―になっちゃって大変だったよ」

「えっ?」(酒ちゃうんかい!)

「下戸なんですか?」

「ゲコって何よ?」

「あっ、いや、お酒飲めないんですか?」

「お酒なんて置いてないよ、そもそも」「たいていはフルーツジュース   

なんだけど、通の人なんかはわりと苦い野菜ジュース頼むよね、 

カッコつけて」

「へぇ~」(何やそれ)

「また今度連れてってやるよ!」

「ありがとうございます」

「あっ! そうそう聞こうと思ってたんですけどこの辺で夜安全な 

場所ってあります?」

「それだったらこの道まっすぐ行けば川辺があるんだけど

そこだったら安全だよ。川で洗濯したり水浴びしてる連中が

多いから動物が怖がって近づかないんだ」

「あの~ 僕、宮下空と言います。今日は色々お世話になり本当に

ありがとうございました!」

「オレ、ショ―タ! 今度会った時はうさぎクラブ行こうな!」

「ハイ!」

 僕はショ―タさんと別れ、日が暮れる中ひたすら川辺を目指した。



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