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 しばらくすると島田課長の姿が。


「おっ! 宮下くん、ここにいたのか。ずいぶん帰りが遅いから

心配してたんだよ」

「すいません」

「大丈夫か?」 

「は、はい、あの……課長! ちょっとお話が」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。ビール飲みすぎちゃって、出すもん

出してからナ!」 

 僕はおもむろに両手で水を掬い、幾度となく顔を洗ってると背後

から課長の声が……。 

「話って?」

「あの~ 私、このままずっと資料部なんですか?」

「いや、それは分からんよ」

「どうした、不満か?」

「い、いやそれは……」

「宮下くん、会社ってのは組織なんだ。僕たち上司を含め役員が

総合的に判断して社員を配属するわけだから多少不満があっても

与えられた場所で力を最大限発揮してもらいたいんだけど…… 

そんなに辛いか?」

「い、いえ」

「まあ気持ちは分かるがもう少し辛抱してみたら。あっ、それと 

仕事は待つんじゃなくて自ら進んでっていう姿勢はとっても大切

だと僕は思うよ!」「宮下くん、期待してるよ!」

「あ、ありがとうございます!」

 

 最後に肩をポン!と叩かれた僕はまるで突然やる気スイッチ 

を押された子供のように込み上げる嬉しさを体全体で感した。

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