人嫌い、1日を終える
「やっと…帰ってこれた。」
学校初日というのは、内容が少なくても疲れるものだ。ましてや、猫を助けたり少し喋ったら友達認定してくる女に絡まれたりと散々だった。
「ニャー」
「おまけにこの子、どうしようかな。」
秀人は新しい環境と親に言われ、1つ隣の件で入学をした。そのため、親元を離れた独り暮らしのためにアパートを借りてもらった。
「こういうアパートってのは、動物禁止だよな…親のとこに預けるか。」
「ニャー?」
「ああ、心配しないで。今日一日、一日だけなら見逃してもらえるかも。」
秀人は念のため、管理会社に電話する。どうやらこのアパート、ペットOKの良物件だということが判明した。鳴き声や夜中の騒音だけはやめてほしい、とお願いをされ話は終わった。
「いても平気だってさ…でも、いいのか?僕のところで。」
「ニャー」
猫は秀人に返事をするかのように鳴いた。秀人は決心する、しっかりと面倒を見きると。
「よろしくね。名前は…どうしようかな、ひとまずタマと呼ばせて。いいの思い付いたらそっちにするよ。」
「ニャー」
一人と一匹の生活の始まり、これからどうなるかを考えながら夕飯の買い出しに出かける秀人。
「ちょっと買い物行くから…どうする?留守番してる?」
「ニャー」
「じゃあ待ってて。」
家周りの地理を覚えるために、遠回りでスーパーを目指す秀人。住宅が多く、小道を抜け大通りに出ないと何もない環境のため、買い物へ行くのは10分程度かかる。
「家だらけで何もない、まあ変に騒ぐやつがいないならいいけど。」
買い物は無事に終わり、タマ用のペットフードも買い帰宅。秀人は料理の腕前は良くない、野菜炒めが今日のメインだった。
「あー味薄いな、もっと塩コショウ必要だな。これも勉強しないと…」
タマはペットフードを食べきり、部屋の隅で寝ていた。秀人も食べ終わり、明日に向けて休むことにした。
「さて…隣のやつに絡まれたら面倒だな。しかも今日のゴミ、生徒手帳なんていらないよ。捨てようかな。」
色々考えることはあったが、疲れていたようですぐ眠ってしまった秀人。これからの生活がどうなっていくか、想像もできない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます