人嫌い、まずはクラス確認

秀人のクラスは1年3組。1学年4クラスあるらしくクラス発表のボード前は人でごった返していた。


そんな人並みが去ったあとで彼は自分のクラスを確認、人に揉まれては拒否反応から嘔吐でもしかねない彼にすれば、当たり前の行動だった。


しかし、遅れてきたのか考えが一緒だったのか、自分同様にボードを眺める少女が一人。


身長は小さく150㎝に届くかどうか、水色の髪が腰に届く手前ほどに伸びており、よく手入れしてあるのか綺麗に見えた。


「…よろ…しく。」


「それは僕にいってるのかな?」


「…そう。」


「じゃあよろしく、と返しておくよ。それじゃ。」


短い会話。どうやら彼女も話すのは苦手なのか、小さく、さらに途切れ途切れの話し方だった。秀人としては、他人との関わりを避けたいが、ここへ来た理由を思いだし少しばかり会話を返してみた。


(はぁ…やっぱり人と話すのは疲れる。相手の裏を考えて無駄に頭を使うからか?)


彼にして見れば、人が話すのは利益のため。学校で考えれば、今後一人ぼっちのレッテルを張られないよう、同じレベルの奴とつるむ。もしくは、自分より上の相手に取り入ることでそれなりの地位を得る。


(学生ってのは妙に立場を気にする…社会に出てもそうなのか?)


頭の中でまた人に対する考えをまとめつつ歩く。その背後には、さっき挨拶?を交わした少女もついてきていた。


「…一緒。」


「一緒?あぁ、もしかして同じクラス。」


「…そう…よろ。」


そうして二人は、自分のクラスへと歩いていくのだった。

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