第4話 劉のクラスメイト達

劉が草原へとばされて猪のようなものに追いかけられている最中クラスメイト達はとある王宮の広間にいた。


「こ、ここはどこだ!」「日本じゃないのか?」「学校は?」

「なんでこんなことに……っ」「やだ、帰りたい……」


クラスのみんなが騒いでいると


「静まりなさい」


凛とした声が響いた。その声で騒いでいたクラスメイト達は静かになった。その声はクラスね中からではなく、広間にある玉座から聞こえた。金髪に紅玉のような紅い瞳をした美しい女性が座っていた。


「皆様には大変ご迷惑をおかけしました」


その女性は玉座から降りてこちらに恭しく頭を下げてきた。


「そんなことよりここはどこなんですか?」


みんながまだ理解しきれてないなか、燐先生だけが当然の疑問を問う。


「そうですね。まずこの世界フォースのことを知ってもらいましょうか。その前に自己紹介をさせていただきます。私の名前はユー・セント=クレイズです。ここルセンベルク城の女王です」


「私は宮本燐といって、ここにいる生徒達の先生です」


「私のことはユーと気軽に読んで頂ければ幸いです」


「分かりました。では、ユー女王、何故私達はここに?」


ユー女王は玉座に座ると話し始めた。


「貴方達が召喚されたこの世界はフォースと言います。名前の通り四つの大陸があります。まず、貴方達がいる〈ルセン〉。ここは人族が九割を占めて暮らしています。二つ目は妖精や精霊が住んでいる〈エレフェア〉。三つ目が亜人族が九割を占める〈デミア〉、そして最後が魔物や魔人といった存在がいる〈ダーク〉。ここまでは大丈夫ですか?」


「ええ」


「では、貴方達を召喚した理由をお話しましょう。ここルセンはダークと戦争をしています。今はまだ激しくなっていないので大丈夫ですが、近いうちにこの人族は滅びるでしょう。なので戦力として召喚したのです」


「なんだよそれ!」「ふざけんなよ!」「帰らせてよぉ……」

「なんでこんなことに……」「俺たちを返せ!」


クラスの面々が怒鳴ったり、泣いたりしている。


「みんなちょっと……」


先生が困っていると声がした。


「みんな!大丈夫だ!戦力として呼ばれたんだったらなにか力があるはずだ。そうですよねユー女王?」


その声の主は一ノ瀬燈也だった。


「そうですね。その者の言う通り、貴方達全員に力があります。今からどんな力があるか測りましょうか」


ユー女王がそう言うと二人の女の子がやってきた。


「この子達は私の娘です。……あとは頼みましたよ」


ユー女王はそう言って奥に行ってしまった。


「分かりましたお母様。皆様初めてお目にかかります。わたくしは第一王女のカーナ・セント=クレイズです。お気軽にカーナとお呼び下さい。そしてこちらが第三王女のミイ・セント=クレイズです。」


「ミイだよ、よろしく〜」


カーナ、ミイと名乗った少女達は二人とも金髪だが瞳の色が違った。カーナは碧眼、ミイは翡翠色の瞳をしていた。そしてなによりも目を引くのがその美貌だった。カーナは高校生ぐらいで十人中十人が綺麗だというだろう。その証拠に男子のほとんどがカーナに見惚れていた。ミイはまだ幼いが、あと数年もしたらカーナに劣らない美人になると思わせる顔立ちだった。



「今から皆様にステータスの見方を教えます。簡単なのですぐに見れます。まず、右手を下から上にスライドさせます。すりると目の前に画面が現れるはずです。その画面からステータス欄を触れるとステータスが見れます」


カーナ王女が右手を下から上にスライドさせると半透明の画面が浮かび上がった。燈也や燐先生、クラスのみんなが右手をスライドさせる。


「これは……」


燈也が自分のステータス欄を見る。


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一ノ瀬燈也いちのせとうや 16歳

Lv1

HP:10000

MP:7000

ATK:200

DEF:170

SPD:150

職業:勇者

特性:正義感(悪と認識したものに対してステータス10倍)

適正:光

魔法熟練度:炎0、水0、風0、雷0、土0、光0、闇0

スキル:光絶、輝蹟、|輝光ノ剣(シャイニングブレード)

アビリティ:成長促進5倍、成長補正2倍、光属性強化2倍、魔耐性Lv1、闇耐性Lv1、魅了耐性Lv1、麻痺耐性Lv1、闇属性攻撃半減etc……

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────────────────────────

宮本燐みやもとりん 26歳

Lv1

HP:5000

MP:12000

ATK:50

DEF:100

SPD:30

職業:祈り手

特性:指導者(人々を導く助言を与える)

適正:光

魔法熟練度:炎0、水0、風0、雷0、土0、光0、闇0

スキル:|裁定(ジャッジ)、心理、祝福、|清祓(きよばらい)

アビリティ:光耐性Lv1、魅力Lv1、祈りLv1

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────────────────────────

片丘亜弥かたおかあや 16歳

Lv1

HP:7000

MP:5000

ATK:170

DEF:120

SPD:200

職業:魔法剣士

特性:視野拡張(360度見渡すことができる)

適正:風

魔法熟練度:炎0、水0、風0、雷0、土0、光0、闇0

スキル:かまいたち、|風(かざ)斬り、電光石火

アビリティ:速度補正5倍、風属性攻撃2倍、雷属性攻撃軽減、広範囲エリア拡大

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朝那真花 《あさなまなか》16歳

Lv1

HP:5000

MP:20000

ATK:150

DEF:130

SPD:100

職業:魔法使い

特性:MP総量比率威力増加(MPの総量が多いほど威力up、比率MP1000で1.5倍)

適正:光と闇以外の全属性

魔法熟練度:炎0、水0、風0、雷0、土0、光0、闇0

スキル:|全属性掃射(アンリミテッド・バースト)、ファイアーボール、ウォーターボール、ウィンドショット、サンダーボールなどの全属性初級魔法

アビリティ:魔法攻撃2倍、詠唱省略Lv1、全属性魔法攻撃2倍、遠距離攻撃時威力と命中up(2倍)、必中Lv1

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「……これは強いのか?」


燈也がカーナ王女に自分のステータスを見せる。


「一ノ瀬様、ステータスは普段他の人に見られないように細工がされてあるのでそれを解除してからでないとわたくし見れないですわ」


「そうなのか、どうやってやるんだ?」


「それはですね……」


カーナ王女が自分のステータス画面でやり方を見せてくれる。


「こうかな」


燈也がカーナ王女に画面を見せる。するとカーナ王女が固まった。


「これは……いや、これほどとは……」


「あの、カーナ王女?」


燈也が何事かと思って聞いてみる。


「す、すいません。あまりにも強いものですから」


「強いんですか?」


「ええ。この世界のLv1はHP、MPが基本500~1000でATK、DEF、SPDは30~50なんですよ」


「そうなんですか……」


「それに『特性』は先天的なもので持っている人はとても少なくて、希少なんですよ。100人に1人の割合でしか持ってないんですよ」


「そ、そうなんですか……」


「皆様の半分は特性持ちみたいなのでかなり異常ですけど、さすが異世界の方々ですね」


「そ、それはどうも?」


燈也が意味も分からずお礼を言う。


「アビリティも皆様色々異常ですし、とりあえず練習しましょう。大きな力は制御できないとご自分の身を滅ぼしかねないですから」

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