朝八時半に私はオープンサンドイッチを作った
隅田 天美
料理の素人(一般人)が架空の料理を再現してみた実話 その6
『理想の異性は誰ですか?』
時々、こんな質問を見る。
私は、こう答える。
「死なずの醍醐」
『誰?』と思う人もいるかもしれないので、まずは作品紹介。
生みの親である作者は「魔界都市【新宿】」をはじめ「魔界行」「妖獣都市」などの菊地秀行。
私の小説を「ハードボイルド風チャンバラ小説」と評した先輩が「おめぇ、こういうのも好きだろう」と出したのが、『死なずの醍醐』が登場する通称「戦士シリーズ」の最初のシリーズ(中編小説)である『暗黒街戦士』であった。
一目惚れならぬ、一読み惚れだった。
身長百六十センチ、ずんぐりむっくり体形(でも、表紙とかだと結構美形なのがちょっと嫌だ)。
作品の舞台は、全てが荒廃し堕落した東京。
仕事は、その東京で「俺」(菊地作品では珍しく一人称で話が進む)が様々な事件を解決すること。
武器は主に拳銃と肉切り包丁。
だが、相手は超能力などで通じないことが多い。
ここで普通は死ぬ。
「死なずの醍醐」の名はここで実証される。
そう、死んでも生き返るのだ。
例え、爆弾を全身に巻かれて爆死されられようと、毒薬を飲まそうと、未知のウィルスに侵されようと次の瞬間には平然と攻撃を再開する。
全身火まみれになっても消火剤を持って火を消すほど元気。
実は、読み進めると彼も各種隠し武器を持っているのだが基本的な戦術は「いろいろ頑張る」
ここまで読んで「うん?」と思った方。
愛読ありがとうございます。
私の小説に出てくる『おやっさん』こと平野平秋水のモデルは彼である。
(外見は夢枕獏の『闇狩師』九十九乱蔵がモデル)
『
もっとも、秋水を育てたのは私の師匠なのだが、その辺の話は追々……
さて、(二千十九年現在において)『死なずの醍醐』の最後の活躍である「狂戦士」(実は、別作品に何度かゲストキャラ出ているのだが)の中で自分と向かい合うシーンの直前に珍しく彼の食糧調達から料理のシーンがある。
コンビニで「ロースハム一本、ブルーチーズの塊二キロ、フライ用の冷凍ポテト一袋、バケット三本、レタスとセロリにキュウリにトマトをワンパック。『六甲のおいしい水』二リットルを半ダース」を買う。
私も仕事帰りに材料調達をした。
ロースハムは駅ビルのお土産屋さんで買った。
「ご贈答用ですか?」
レジで笑顔の店員さんに私は言った。
「いえ、自宅用です」
ブルーチーズとセロリは食べられないのでパス。(チーズは家の冷蔵庫にある)
バケットは同じく駅ビルにあるベーカリーで買おうと思ったが売り切れで、隣のスーパーの見切り品であった百円(税抜き)のバケットを買う。
レタスは先週親と行った畑でもらってきたものがある。
そして、今日の朝。
まず、バケットを「ぶつ切り」にする(三分の一程度に切る)。
そこに厚さ二センチに切ったハムとチーズ(スライス)を入れてレタスをこれでもかと押し込む。
バケットの切れ込み角度が百八十度になりそうなぐらい具材が溢れそうだ。
私の口が小さいからなどではなく、本当にどこから食べていいか分からない。
両手で支えないと具材がこぼれる。
確か醍醐も特別口が大きいわけでもない。
しかし、彼はパソコンを操作しながら食べていたのだ。
私にそんな余裕はない。
とりあえず、ハムとチーズを食べレタスだけになったバケットをモリモリ食べた。
レタスの味がちょっぴり地球の味だった。
作中、醍醐は自分の手を「大きい」と評しているが、どれぐらい大きいのだろう?
食べ終わった。
そして、気が付いた。
「あ、やっべ。今日、血液検査の日だ」(私は月に一度血液検査をしている)
検査結果。
異状値はなかったです。
朝八時半に私はオープンサンドイッチを作った 隅田 天美 @sumida-amami
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