安らぎの星

安瀧時雨

第1話安らぎの星

たしかに今俺は


ここにいる。


地球から大分離れたこの星に。


帰りたいがどーしていいかわからない。この焦りどーしたらいい?


一機の探査機と俺を置いて

まぁあの時はしょうがなかった。


大嵐の中仲間が必死に助けにきてくれたのに母船に収容されるタイミングがなかった。


仲間たちは必要消耗品ギリギリ

なので地球に帰らざるを得なかった。


帰ってくるまで20年はかかる。

あと20年か。。。


はじめっから

ないものとしても、


そんなの出来ない。

そんなぼーっとした日々が続く。


AIが話しかける

(まずは居住できる。スペースを組み立てましょう。

それから食料になるものを。探しては?)

そうだな。それしかないか。

それからキャンプ地を組み立てる作業に取り掛かる。


緑の多いこの惑星でわかったことは人間のいない場合の地球みたいな星だ。


衛星も有る。


今日は地層の掘削でもしてこの星の歴史を探査しよう…

アタッチメントを付け替えて

作業に移る。


だんだん一人でいるのが当たり前の様に感じて来た。諦めというかいいや違うな。こう心の温もりみたいなものが寂しさを包み込む様な感じ。


(この星が受け入れたのかもしれませんね)

AIはささやいた。

ありがとうか…

感謝の心が湧いてくる。


この星で死ぬのも悪くない。

今日は海に出ていた。


すがすがしい風が俺を可愛がる。

探査してわかった事だが地球ではありえない食物連鎖が起きている。肉食系がいないのだ。


動物は木の実を食べたり乳のでる植物の乳を吸ったり。


俺もその例に習って釣りとかもしないで豆で作ったハンバーグを食べたりしていたがこれが実に美味いのだ。



半年が経った。


掘削を毎日続けていたら、

不思議な物が出て来た。


金属のキューブと言うものだ。

早速キャンプに持ち帰り、調べてみると炭素70パーセントun known30パーセントと出た。

残りはわからないのか。


衝撃を与えると青白い光を放つ

興味深い物質だ。

その光は何か幸せを感じる様な優しい光だった。


夜になり寝る時間になった。明日はどこに行こうか。


さわやかな風と鳥のさえずりの中で気持ちいい朝に目覚めた。

キャンプの近くを散策している。美味い空気と木漏れ日と緑…

地球にいるようだ。


AIが突然話しかけて来た。

(小型の宇宙船らしきものを確認。慎重に対応をお願いします)


目標半径300メートル。

恐怖感は無い。

むしろ喜びに近い。


デバイスを友好的波動のモードにした。


女性?らしき人型だ。

地球人とほぼ一緒だが猫のような耳がある。

女の子の声が頭に響いて来た。


私は敵ではありません。

どうぞよろしく。


胸を手に当てたポーズをしたので

それを真似した。


「あなた優しいのね。波動でわかる。」

屈託のない笑顔で彼女は言った。

「そうかい?じつは悪い男かもね」冗談を言ったら、

笑ってくれた。


二人は意気投合し

食事をしたり散歩をしたり。

お互いの故郷の文化のことを話したりした。

彼女の故郷はここでやはりこの星でも戦争がたえることがなかったという。人々は苦しみの果てに武器を捨てた。


しかし周りを見渡せば他の生物も捕食という負の連鎖をしていたので生態系も路線変更する技術を開発したのだという。自分たちが星にダメージを加えていると気づきこの星を出て行く事にしたのだ。

そして今に至る。

彼女はこの星の状態を監査しにきたらしい。


それからいく年の歳月が経ったろうか。


A Iのアラームメッセージで目が覚めた。

(地球の母船らしき信号を出している宇宙船があります)


なんだって!?

なんでこんなに早く来れたんだ?


地球に帰れるのか?

早速信号を発信だ。

彼女は寂しそうにしている。

「よかったわね」


地球のスタッフとの合流地点へ行く

「生きててくれたか!」

地球のスタッフが説明するに

ワープ航法より新しい物が開発されたかららしい。

喜びに満ちている時

不意に彼女が思い浮かんだ。

そうかそうだな…


母船は地球に向かって発進した。


彼女はそれを遠くから見送った。

宇宙船に乗って自分も帰ろうと思った時。

「ばあ!!俺って悪い男かもしれないよ?」



END

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安らぎの星 安瀧時雨 @mikisan

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