琵琶法師は語る

琵琶法師の語りが終わり、辺りは静寂に包まれる。

雨音は遠くなりそろそろ雨も上がりそうだ。


以上で私の伝聞は終わります。

おや、物足りなさそうな顔をしておいでですね。

確かにこの話は救いがありません。

しかし数ある可能性の一つにすぎないと私は思っております。

皆が幸せになれずとも想いが満たされれば、きっとそれは救いになるのかも知れません。

ですので今度は貴方が、彼らの話の別の可能性を考えていただきたいのです。

ああ、雨が上がったようですね。

それでは私はこれで失礼いたします。

またどこかで会えましたら…。

その時はまた語りましょう。


琵琶法師は立ち上がり外に出る。

髪は白髪、顔には包帯を巻き小汚い姿だ。

急いで後を追うが外にはもう琵琶法師の姿はなかった。

空は雨が上がり星が見え始めている。

もうすぐ日も落ちる。

家路を急いで小屋を去った。

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