弱すぎた強者の夢

盲目白痴なまま生きてしまった、ここまで来てしまった、こんなはずじゃなかったかもしれない。


ここはあまりに臭いんだ、鼻が曲がりそうなほどにね。誰も気づいちゃいない、あまりにも酷い腐臭が、生臭い何かが気持ち悪いんだ。


でも初めて見たそれは綺麗なまま腐り果てた吐き気のするような、品のない香木のような良い香りがした。だから少し見ていようと思った。


それに「ここ」ならほかの臭いはしないからね、ようやく見つけた安息の地だからもう少しだけ生きていこうと思ってはいたんだ。


でもダメだった、「ここ」から出た途端に酷い悪臭に頭を犯され、心を犯されてすり潰れていったんだよ。私ならなんでも出来たはずなのにね。


気づいたら夢の終わりが見えた、もう夢は覚めるんだね、それでは私も私にならって置き土産を置いていこう。


夢にすがることは悪ではない。汝、夢を否定することなかれ。

良い夢を

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