アラサチ

サチ

強すぎた弱者の夢

私はただ見えすぎてしまったのだろう、どこまでも連続する先を見通してしまったのだろう。

私が干渉することはできず、何も出来やしないのに何もかもが思った通りに進み、見る色や形に驚きはなく生きていた。


気づいたら色もなく無味乾燥な所だった、ただそこには似たもの達が居た。

私が捕まえて引きずり込んだのだけれどもね。唯一できたことだった。


似たものの彼等はその世界でもかろうじて色があったんだ、少しだけ彼等の色を混ぜてみたけれど世界には着色することは出来なかった。

だから引き連れて染まるどこかを、そして終わりを目指した気がしていたんだよね。

各々痴れて自身の最良の終わりを定めて走り抜けていったのは確かだね、結局終わりは一つしかなかったけれど。


いくら走り抜けようと色は戻ることは無く、無味乾燥な世界は終わらなかった、でもほんの少しだけ楽しかった気はする。何も私は出来なかったけど。

少し疲れたから眠ろう、夢が覚めることを祈っているよ。


後続の旅人たちへ

どうか楽しいままで、置き土産を置いていくよ。


夢はどこまでも広がる、汝の定めるものを夢とせよ。

それでは良い夢を

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