第2話

そんな時だった、彼に出会ったのは。



彼は友を大事にしていた。


自身よりもずっと。



そして酒を飲み、酔いながら話した。


死んだ彼らとの記憶を。


精一杯の感謝を。



そんな彼の人の良さから彼の周りにはいつも人がいた。



真実を信じ、疑いを知らなかった。


彼は人質となったときもメロス様を心から信頼していた。



彼はきっと帰ってくると。


そして英雄として崇められ死んでいくのだろうと。




まだ、帰るともわからない彼のことを心配していた。

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