第3話

もうすでに日は西に傾きかけている。


まだ帰ってこないのか。



焦る気持ちが募っていく。



何も手につかず、気持ちだけが先走りする。




「心配しているのか」




ふと気づいた感情に懐かしさを覚えた。


誰かを気にかけるという思いさえ久しく忘れていた。



このままでは彼もまた……。





「もう昼時だ。もう無理だろう」





ぼそりと聞こえたオウムの声は自分の毛羽だった感情を逆なでするには十分すぎた。

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