新幹線のモヤモヤ。

どうも。

いつもよりご機嫌三割増しの瑞野です。

私は今、ライブのための東京遠征の真っただ中です。


この原稿は、東京行きのぞみ222号の車内からお送りしております。おとなりにはどこの国からかわからない(おそらく東南アジアからと思われる)インバウンドの外国人の方が熟睡しておられます。邪魔しないようにいつもより静か目にキーボードを打っております。



おっ、名古屋だ。

かつて西口からライブの帰りに深夜バスに乗ったのを思い出す。っていうかなんで名古屋って、名古屋駅の周りにばっかり高層ビル立てるの?栄とかにも建てりゃあええのに。バランス悪くね?


おーおー、すごい勢いで静岡すっ飛んでった。

気が付いたら熱海におったわ。

崖に旅館が立ってたぞ。こえー。


うわー、新横浜すげぇ。

横浜なのに駅から森が見えるぞ。

森とニュータウンしか見えないじゃないか。



ああ、なんて素敵な新幹線。

夢の超特急と言われてもう何年だろうか?

私たちの旅を魅了してやまない、最高の乗り物。


私は実は電車・列車の類も好きだ。

「撮り鉄」と「乗り鉄」を兼ねている。

全国各地、旅行に行くと必ずいろんな電車に乗って、移動までしっかりと楽しむのが私のスタイルだ。車内などではほとんど寝ない。必ず景色を見たり、飯を食べたり、いろいろなことをして楽しんでいる。


しかし一方で、新幹線はモヤモヤの宝庫だ。日ごろから気を遣いまくる私にとって、ここはまさに愛想と悩みが渦巻くワンダーランドだ。



新幹線の座席などは、特にモヤモヤする。


ふつう一人で新幹線に乗る場合、指定席ならだいたい二人掛けの窓際を取ってくれる。その方がトイレとかにも行きやすいし、大体の旅行会社さんはそんな感じで配慮してくれる。しかし、今回だけは違った。この時間の便が妙に席が混んでいたらしく、三列掛けの方の窓際を取られてしまった。


仕方がないとはいえ、これは非常にモヤモヤする。

何をするにも、二倍の配慮と気遣いがいるのだ。

しかも、冒頭書いたように、私の隣は外国人二人。



トイレに行くにも、二人に「ソーリー」とか言いながらせまい隙間を縫ってそろそろ行かないといけない。荷物を出すにも、「ソーリー」と言いながら体の動きを最小限にとどめて自分の腕やら何やらが当たらないようにそーっと動かないといけない。


おまけになーんか見られてるような気がずっとする。私の一挙手一投足すべてに視線が注がれているような気がして、とても落ち着かない。私がこうやってカチャカチャ原稿を書いているときにも「あんだこいつつまんねー文章書きやがって、カチャカチャうっせーんだよ」とか今にも言われそうで怖い。


とにかくまぁ、隣にだれかいるとすごく動きを制限されるのだ。


車内販売の買い物だって自由にはできない。

東海道新幹線名物「シンカンセンスゴクカタイアイス」も、自由には買えない。私は今回、これをすごく楽しみにしていた。


行きの道中、最初に京都に停車したあとぐらいに車内販売のワゴンが来た。このときは、まだ新大阪駅で買った駅弁の「かきめし」をたべたばかりだったので一旦スルーした。


アテンダントさんは、当然通路を通ってくるわけだから、私は外国人二人を前にしてバニラアイスを買うというこまごました買い物をしなければいけないのだ。なーんか気恥ずかしい。


私は、ひたすらヘコヘコした。

「ごめんなさいね邪魔しちゃって」っていう気持ちを最大限出して見せるために、何度も小さく小さく頭を下げる。それはまるで、大企業で出世のために上司にペコペコ頭を下げては、へつらいゴマを擦るイエスマンのような姿だった。もはや私は、アテンダントのお姉さんにヘコヘコしてるのか二人の外国人に向かってヘコヘコしてるのか分からなくなるぐらいヘコヘコしていた。


その後食べたスゴクカタイアイスの味は、あまり覚えていない。が、少なくとも私の好みの感じな味ではなかった。あの苦労は何だったんだろう。


でもまた食べたくなるスゴクカタイアイス。

あの謎の「魔性の魅力」ってなんなんだろうか?


テレビで何回も紹介されてるから?鉄オタがすごい勢いで力説するから?いつの間にか脳裏の片隅にしっかり刷り込まれている「スゴクカタイアイス」の存在。うーん、恐るべき戦略だ。スジャータめ。まんまとやられたわい。


そんなこんなで私は

東京まで非常に窮屈な2時間半を過ごした。


ああ、モヤモヤした。

今度は東京旅行で感じたモヤモヤでも書こうかな。




ーつづくー

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る