おせんべい
男の子が道をてくてく歩いていると、おせんべいを食べている子に会いました。
おやつなんて、めったに食べられません。もちろん、せんべいも。
男の子は羨ましくなって、ついつい近づいていきました。
おせんべいを食べている男の子は、自分に近づいてくる子が持っている絵の美しさに、びっくりしました。
(この絵を見せたら、みんな、よろこぶだろうな――)
おせんべいを食べている男の子は、その絵がどうしても欲しくなりました。
「ねえ・・・」
いきなり話し掛けられた男の子は、びっくりして、振り向きました。
「その絵と、このおせんべい2枚と、交換しない?」
男の子にとっては最高の展開でした。だって、あれだけ食べたいせんべいが、しかも2枚、食べられるんです。
勿論、男の子は絵とおせんべいを交換しました。
とくしたなぁ、とその子は思っていました。
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