第27話 周回クエスト
「そうか! 分かったぞ!」
「何が分かったのよ?」
「始めていく路線は、そこの土地土地の建物や名産品でストーリーを書くことができる。もしJR山手線一周や東京メトロ銀座線を、2回目にしないといけない時は、敵キャラや仲間のキャラクターを登場させればいいんだ。そうすれば、話の展開に困らない。」
「優秀と、せこいは紙一重ね。シナリオライターも大変だわ。」
望たちは、外苑前駅を後にして、東京メトロ銀座線の電車に乗って、次の駅へ移動中。
「ようこそ! 青山一丁目へ!」
「よろしくね! 駅娘!」
いつものように駅に着くと駅娘に出迎えされる。
「駅娘、質問してもいい?」
「おおー! 私の出番ですね! どうぞ! 何なりと質問してください! 駅に関係することなら何でも答えますよ!」
「例えば、青山一丁目は、東京メトロ半蔵門線と都営地下鉄大江戸線に乗り換えができると思うんだ。他の路線は使うことはあるのかな?」
東京の地下には、たくさんの地下鉄が走っている。複数路線を使ってクエストをこなす日が来るのだろうか?
「今回のLAWS国家試験2次は、東京メトロ銀座線だけを使用します。他の路線への乗り換えは不要です。でも将来的には、複数路線を乗り継いでクエストを達成したり、制限時間までに目的地にたどり着いたり、殺人事件のアリバイを崩したり、いろいろなクエストが想定できます。」
「やっぱり、そうなるのか。」
「ありがとう。駅娘。」
「それほどでも。ニコッ。」
結局は、作者の路線に対する基礎知識が一定レベルに達すると、複数路線クエストが発動される。
「それでは青山一丁目のクエストを発表します! 迷子の迷子の青山一丁目人レベル5を倒してきてください!」
「おお! ここで一気にレベルを30まで上げるぜ!」
「青山一丁目に血の雨を降らせてあげる! キャハハハハハー!」
結構、希は血が好きなヒロインだった。
「この石垣は何だろう?」
望たちが敵を倒していると、端まで石垣が広がっていた。
「ここは赤坂御用地です。」
「赤坂御用地?」
「皇族の方々が住んでいます。」
「皇族!?」
キラーン! っと望と希の目が輝く。
「何かアイテムをくれるかもしれない!」
「行くっきゃない!」
物欲に燃える望と希は、赤坂御用地に侵入を試みる。
「ピピー! そこ勝手に入るな! 警察だ!」
「警察!?」
赤坂御用地は、警察に守られている鉄壁のダンジョンであった。侵入するには、邪神の像がいるかもしれない。
「逃げるわよ! 望!」
「おお!」
望たちは命かながら、電車に乗り、次の駅を目指すのであった。
つづく。
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