第28話 JRSの役目
「目覚ましとホープ、おまえたちは静かだけど、普段は何をしているんだ?」
次の駅へ移動中の車内の望の素朴な疑問である。
JRSとは、ジャパン・ロボット・スマホの略である。正式には、AI搭載スマートフォンである。人間とJRSの会話だけで音声認識し、アプリのインストールやアンインストールもできる。
目覚ましは人型スマホであり、二足歩行する、自分の意志で言葉を話せるスマートフォンである。
ホープは、カワイイ女の子の人形である。人形の中にJRSを内蔵している。電話やキャッシュレス決済などができる。
「食っては寝る。JRSっていっても、人間と一緒さ。」
「僕と一緒じゃないか!?」
目覚ましのようなJRSは、人間1人に1体。長く付き合っていると、AI搭載スマホロボットのJRSも、持ち主に性格が似てくるのかもしれない。
「監視です。」
「監視?」
「元々、JRSは人間がAIに歯向かわないように監視するために作られたのですから。」
ホープのカメラを遠隔操作でハッキングして、望と希の行動を、LAWS国家試験の試験管たちは監視しているのである。ということは、希がトイレやお風呂に入る時にJRSと一緒に入ると、ハッカーは鼻血を出すことになる。
「次、行ってみよう!」
これまでクエスト進行に全力を尽くしてきたが、それでは登場するキャラしか育たない。もっと会話をさせよう。人間も人と人の間と書くのだから。
「いらっしゃいませ! 赤坂見附へ!」
「よろしく! 駅娘!」
望たちは、赤坂見附駅に着いた。
「赤坂見附駅のクエストは、さまよえる赤坂見附人レベル7を倒してもらいます!」
「アアー!? 迷子の迷子のから、さまよえるに名前が戻っている!?」
「きっと、さまよえるから動かしてしまうと毎回考えないといけなくなるから、面倒臭いから元に戻したのよ。」
「勇気ある撤退です。」
敵の名称は、さまよえるに戻された。
「いくぞ! さまよえる赤坂見附人!」
「ギャアアアー!? 人殺しー!?」
望たちは、さまよえる赤坂見附人レベル7を倒した。
「いこう! 次の駅へ!」
望たちは、赤坂見附のクエストを突破した。
LAWS国家試験2次が開始して、7時間。残り12時間。現在。4個目の赤坂見附駅を突破。残り15駅であった。
つづく。
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