第17話 神に出会う

「さまよう御徒町人! 突破!」

 望と希の快進撃が始まろうとしていた。

「やるな! 希!」

「そういう望こそ!」

 望と希は幼馴染なので、二人の呼吸もピッタリであった。

「さようなら! 御徒町を忘れないで!」

「ありがとう! 駅娘さん!」

 望と希は、御徒町のクエストを突破して、次の駅に向かった。


「いらっしゃいませ! 秋葉原へ!」

「よろしく! 駅娘!」

 望たちは、秋葉原駅に着いた。

「実はお二人に会いたいと言っている、お方がいます。」

「誰だろう?」

 望たちは、駅娘の案内で会いたいと言っている人の元へ向かった。

「ようこそ。秋葉原へ。私は、秋葉原の神です。」

「か、神様!?」

「そうです。世界に何か良くないことが起ころうとしています。どうか世界を救ってください。」

「分かりました。なんだかゲームみたいで面白そうだ。」

「私が世界を救います!」

 望と希は、世界を救うことを約束する。

「お礼にあなたたちのレベルを5倍にしてあげましょう。以後のレベルアップは期待できません。二人で力を合わせて、このJR山手線クエストを突破して、世界を守ってください。」

 ピロピロピロ! ピロピロピロ! 秋葉原神の力で望と希のレベルが500まで上がっていく。

「すごい!? 体中から力が湧いてくる!?」

「これなら渋谷の人食いハチ公レベル1000とも戦えるかもしれないわ!?」

「これならいける!」

「ありがとう! 秋葉原神!」

「頼みましたよ。世界の平和を守ってください。」

 望と希は、秋葉原神の元を去った。

「希、試し切りしてみようか?」

「そうね。秋葉原神との約束を守るためには、もう時間が無い。一撃で仕留めるわよ!」

 望と希は、道を歩く、さまよう秋葉原人レベル110を一撃で切り裂く。

「世界の平和は僕が、私が、私たちが守ってみせる!」

 いつの間にか望と希は、世界の平和を守るために戦うのであった。

「ありがとう! 駅娘!」

「お役に立てて何よりです! 頑張ってください!」

 望たちは、秋葉原の駅娘に別れを告げた。


「レベル500! 皇帝斬り!」

「レベル500! 女帝斬り!」

 神田に着いた望たちは、あっさりとクエストの、さまよう神田人レベル120を倒した。

「ごめんな、駅娘。あまり長く話している時間が無いんだ。」

「分かっています。お二人がLAWS国家試験に合格することを祈っています。」

 望たちは、神田駅から、次の東京駅を目指して電車に乗った。

 LAWS国家試験、開始から26時間経過の11時。望たちは、現在18個目の神田駅を突破。残り時間は3時間で11個の駅を突破しなければいけない。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る