第13話 強敵
「危ない!? 早くUターンするんだ!?」
大塚に着いた望たち。しかし大塚には大きな鎧武者、さまよえる鎧武者レベル40が待ち構えていた。望たちは慌てて池袋行きの電車に飛び乗った。
「なんなんだ!? あいつは!? レベル30の僕よりも強いぞ!?」
「他の生徒は、あの鎧武者を倒して、先の駅に進めたのかしら?」
望たちは、ふと疑問に思う。
「レーダーで調べてみましょう。」
JRSの目覚ましは、GPS情報にアクセスする。
「戦闘集団は上野で、パンダと戦っていますね。先頭集団の方が満員電車になるぐらいLAWS国家試験を受けている生徒が多いので、数の力で強力な敵を倒して進んでいると思われます。」
「なんだとー!? なぜ僕たちは2人しかいないんだー!?」
これが最下位の現実である。望たちが1つ目の原宿駅でタピオカランドでデートしていた間に、他の普通の受験者たちは、真面目にクエストに取り組んでいたのだった。
「これが最下位の現実ね。こうなったら奥の手よ! 駒込から地下鉄メトロの南北線に乗って、恵比寿までワープよ!」
「ブブー!!! 今回はJRの山手線しか使えません。」
「チッ!」
「ルールは守りなはれ。」
万策尽きた望たちであった。
「仕方がない。真面目に池袋でゾンビでも地道に倒すしかない。」
「そうね。かなりの時間ロスだけど、3時間もレベル上げをすれば、ソロプレイヤーでも、さまよえる鎧武者くらいは倒せるだろう。」
「でも、どんどんインフレして、レベル99のさまよえるオランダ人とかでてきたらどうしよう?」
「困った。どこかに精神と時の部屋はないものか?」
考え込む望たち。
「私に良い考えがあります。オッホッホー!!!」
その時、ホープは閃いた。
「ギャアアアー!?」
3時間後、無事に望たちは大塚駅に戻り、さまよえる鎧武者を倒した。
「大塚のクエスト! 突破!」
「おめでとうございます! ソロで、さまよえる鎧武者を倒した方は、LAWS国家試験が始まって以来、初めてです! どうやったんですか?」
大塚の駅娘が出迎える。
「それは、目白まで戻って、3時間、目白スライムを狩りまくったのさ。」
「なんですと!?」
目白スライム(メタル)は、経験値が豊富な栄養の塊である。3時間狩り続けた望のレベルは、99に達したのだった。
「この調子でガンガンいくぜ!」
LAWS国家試験、開始から13時間経過の22時。望たちは、現在8個目の大塚駅を突破。残り時間は16時間で21個の駅を突破しなければいけない。
つづく。
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