第12話 池袋
「え? 展開が早い? 荒い? 仕方がないじゃん。1話1000字で書いているんだもの。話を膨らますのはアニメ制作会社の方でよろしく。」
望たちの社内の会話は、こんな感じだった。
「いらっしゃいませ! ようこそ! 池袋へ!」
「よろしく! 池袋の駅娘!」
望たちは、池袋駅に電車で着いた。
「いざ! 池袋駅のクエストは、選択制です。」
「選択制?」
「はい。1つは迷子の子狸を埼玉の山に送り届けること。」
「子狸?」
「池袋は、埼玉と言われているので、いろいろな動物が街中で迷子になっているのです。」
池袋は、埼玉。これは常識かもしれない。
「もう1つが、サンシャイン60のダンジョンをクリアしてもらいます。」
「おお! それこそがクエストだ! 僕が代々木タワーみたいに叩き切ってやる!」
「ちなみにサンシャイン60のレベルも60なので、今の望さんではぶった切れないので、最上階の60階まで登ってもらいます。」
サンシャイン60、難攻不落の要塞に早変わり。
「子狸しかないではないか。どこが選択制なんだ?」
ということで望たちは、迷子の子狸を埼玉の山に送り届けることになった。
「ちょっと待て!? 埼玉の山奥に行って池袋に帰ってきたら、往復2時間以上はかかるぞ!? いったいどうすればいいんだ!?」
どちらを選択しても望たちには難しいクエストであった。
「子狸のポンタくんです。」
「ポンポン。」
迷子の子狸が現れた。
「とにかく、急いで電車に乗って、子狸を埼玉の山に送りましょう。」
「ちょっと待て。僕に良いアイデアがある。」
望は、何か閃いた。
「まず、段ボール箱を一つ用意します。次に子狸のポンタくんを入れます。そして、そのままコンビニに行って、「埼玉の山奥に宅配をお願いしたいんですが。」これで迷子の子狸を埼玉の山奥に送り届けるは突破だ。」
望は、池袋のクエストをクリアした。
「やるわね。望。」
「毎回のことだからな。どうすれば短い時間で最高の結果を出すかを考えないとな。」
望は、LAWS国家試験が開始してからの短い時間の中で、大きく成長していたのだった。
「次の駅は、大塚、巣鴨、駒込、田端、西日暮里、日暮里、鶯谷か。上野までクエストはないな。ここが追い付くチャンスだ! がんばっていくぞ!」
「おお!」
しかし、望たちは、まだ気づいていなかった。現在18時。開始から9時間が経過して7駅目の池袋を突破。約2時間の遅れ。だが本当の戦いは、真っ暗な夜がくる、これからだと。
つづく。
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