第9話 スタンプラリー

「せっかくだから、駅のスタンプを押していきましょうよ。」

 希は、JR山手線の29の駅でスタンプを押す、スタンプラリーをすることにした。駅娘とか、原宿の剣など、新しいアイデアは思いつくが、とりあえず置いておこう。そのためのスタンプラリー導入である。

「どうも! 原宿へ、ようこそ!」

 突然、かわいい駅員さんが現れた。

「あ、あなたは!?」

「思いついて、即座に採用されました。原宿の駅娘です。ストーリーモードは、このままで。のちにサブクエストで山手線を一周して、少し強い敵と戦ってもらい、原宿の剣などが手に入るようになりますよ。たぶん。」

 原宿の駅員娘にするとパニックになりそうな気がする。オチは、AI搭載の駅員さんロボットでもいいのかな。

「たぶんって。まあ、いい。僕にはエンペラー・ソードがあるからな。」

 明治神宮でもらった剣を原宿の剣にしようとも思ったが、明治神宮に怒られそうなのでやめといた。

「いってらっしゃい!」

「ありがとう! バイバイ!」

 望たちは、電車に乗って、原宿の次の駅、代々木を目指した。

「絶対いるな。」

「ええ、絶対にいるわね。」

 望と希の車内の会話は、こんな感じだった。

「いらっしゃいませ! ようこそ! 代々木へ!」

 代々木の駅娘が望たちを迎えてくれた。

「やっぱり、いた。」

 望と希の予想通りだった。

「何を言っているんですか? あなたたちは最下位なんですから、キビキビ行動して先行している生徒たちに追いついでくださいよ。」

「知らなかった。僕たちは最下位だったんだ。」

 望たちは、まだ2つ目の代々木駅にいる。既に開始から4時間が立とうとしていた。

「それでは、代々木のクエストを発表します。」

「おお!」

 駅の黒板から駅娘がクエストの発表するように微調整が入った。

「代々木にある時計台ダンジョンをクリアしてください。」

「なにー!? あれか!? あのNT〇の大きなビルか!?」

「あれをダンジョンというなら、登って最上階に行こうと思った、何時間かかるるのよ?」

 代々木には電波塔のような大きなビルがそびえるように建っていた。とてもじゃないが踏破するのに3時間はかかりそうだった。

「僕に任せろ。良いアイデアがある。」

 望には、何か良いアイデアがあるみたいだった。望たちは塔のダンジョンの入り口にやってくる。

「塔ごと打ち砕いてやる! 必殺! 皇帝斬り!」

 ドドドドドドドドドー!!! 望の一撃は、代々木の塔のダンジョンを、鉞で豆の木を切り落とすように粉砕した。

「すごい!?」

「どんな問題。エッヘン。」

 望たちは、代々木のクエストもクリアした。 

 つづく。

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