第8話 カエルの卵
「美味しい! タピオカ!」
望たちは、希の希望でタピオカランドにやってきていた。希は、自分の行きたいところに行けて上機嫌である。
「そんなカエルの卵みたいの、どこがいいんだか?」
「男のあなたには分からないのよ。女のロマンが。」
希は、タピオカを飲んでいるので怒らなかった。
「これも僕がゾンビよりも強くなったおかげだということをお忘れなく。」
「はいはい。」
回想。
「もう一度、死ねー! ゾンビども!」
竹下通りや表参道にいるレベル20ゾンビは、レベル30の希が倒してきた。
回想終わる。
「どこかに、僕のレベルにあった武器はないだろうか? もう木の棒はボロボロだ。」
「望、明治神宮に行ってみない? タピオカランドの写真をSNSに投稿したら、私のSNSの友達が、明治神宮に強い剣があるんですって。」
「行こう! タピオカランドなんて、ただの寄り道で、SNSなんて下らないと思っていたけど、素晴らしい情報源だ! 嘘でなければ。」
望たちは、明治神宮に向かった。
「特に何もないな。敵もいない。さすがのLAWSも明治神宮に生徒が入ってくるとは思っていなかったんだろう。」
「せっかくだから、お参りしていきましょう。」
「そうだな。」
望たちは、お賽銭箱に5円玉を入れてお祈りした。
「希は何をお祈りした?」
「どうかLAWS国家試験に合格して、お父さんとお母さんに楽をさせることができますように。望は?」
「僕? い、一緒さ。希と一緒でLAWS国家試験に受かりますようにさ。」
本当は違った。
(どうか無事に希を守れますように。)
望が一生懸命にレベルを30まで上げたのも、全て希の夢を叶えるため、希を守るためであった。
「キャア!? なに!?」
「眩しい!?」
その時、明治神宮が光った。
「おめでとうございます! クエストとも関係のない明治神宮に参拝に来た奇特なLAWS国家試験の参加者は、あなた方が初めてです。」
「褒められているような、それとも貶されているような。」
なぜか明治神宮の明治天皇が現れた。
「記念品を贈呈します。」
一本の剣が現れる。
「おお! これこそレアリティ高めの伝説の剣だ!」
望は、明治天皇から皇帝の剣を手に入れた。
「ありがとうございます! 明治天皇様!」
望は、明治天皇に感謝をして、明治神宮を去って行った。
「やったー! 新しい剣が手に入ったぞ!」
「これもタピオカランドのおかげね。」
「そうだな。カエルの卵のおかげだな。」
望たちは、原宿駅を目指すのだった。ちなみに明治神宮に寄り道したので、駅の火時計は3つ目が消えそうになっていた。
つづく。
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