第7話 まず、することは?

「原宿、原宿。」

 望たちは、第1番目の駅、原宿に着いた。

「着いたぜ! 原宿! どんなクエストが待っているんだろう!」

「わ~い! 原宿よ! 竹下通りに行って、表参道をオシャレに歩いて、タピオカランドに行って、写真を撮ってインスタグラムに投稿して、いいねをたくさんもらうんだ!」

 どちらかというと、希の方が原宿にうかれていた。

「駅の黒板にクエストが書いていますよ。」

「どれどれ?」

 目覚ましが駅の黒板にクエストが書いてあるのを見つけた。

「えっと、原宿の課題は、手始めに代々木公園でスライムかゴブリンを1匹倒してみましょう。なんだ。簡単じゃん。」

「さあ! まずは竹下通りでクレープを食べに行きましょう!」

「あ、続きがある。竹下通り、表参道には、レベル20のゾンビがたくさんいます。代々木公園のスライムとゴブリンはレベル1です。だって。」

「ええー!? 原宿と表参道に行けないの!?」

「希ちゃん、行ってもいいけど、ああ、なるわよ。」

「え?」

 希は、竹下通りや表参道の方を見る。LAWS国家試験にチャレンジしている生徒たちが、ゾンビに次々と襲われて血を流していた。

「ギャアアアー!? ゾンビ!?」

「ああ、なりたければ、どうぞ。」

「結構です。よ~く考えてみれば、私は渋谷に住んでるんだから、LAWS国家試験が終わってから、普通に歩きに行けばいいのよ。歩いて行けるから、電車代も要らないもの。」

 希は、良いことに気がついた。

「よし! そうと決まったら、代々木公園に行って、モンスターと戦おうぜ!」

「おお!」

 望たちは、代々木公園に移動した。

「やったー! スライムを倒したぞ!」

「早く電車に乗って、次の代々木駅に行こうぜ!」

 他の生徒たちは、クエストをクリアすると、直ぐに原宿駅に戻って行った。

「ごめん! 私、トイレに行ってくる!」

 希は、お昼ご飯に当たって、お腹が痛くなって、トイレに走って行った。

「うんな、アホな。どんな展開だよ? 仕方がない、待っている間にレベル上げでもやっておくか。」

 望は、スライムとゴブリンと戦うことにした。

「ちいちゃ!?」

 レベル1のスライムとゴブリンは、ぬいぐるみサイズで可愛かった。

「エイ! エイ! エイ!」

 望は、もぐらたたきの様に、次々とスライムとゴブリンを倒していった。

「キャッハッハ! キャッハッハ!」

 レベル上げが楽しくなった望は、モンスターを倒し続けて、レベルが上がり続ける。

「ただいま。」

「希、タピオカランドに連れて行ってやろうか?」

 希がトイレから帰って来ると、望のレベルは30に上がっていた。しかし、2時間経過していた。

 つづく。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る