第6話 スタート!

「9時になったので、LAWS国家試験スタート!」

 苺の掛け声でLAWS国家試験が始まった。第一陣の生徒たちが電車に乗って、1つ目の駅、原宿に旅立つ。

「よし! デパ地下で食料をゲットするぜ!」

「なぜそうなる?」

 望は、食べることしか考えていなかった。

「私も変えの下着を買いに行かなくっちゃ。」

「私も買います。」

「あなた、ぬいぐるみのくせに下着を買えるの?」

 希も百貨店にお買い物に行きたかったので、望と意見があった。さすが幼馴染。

「ギャアアアー!!!」

 その時、渋谷の駅に悲鳴が響き渡る。

「なんだ?」

「あれを見て! 駅から出た生徒たちが、ゾンビに食べられている!?」

「おいおい!? デスゲームかよ!?」

 渋谷駅の外は、ゾンビの大群が待ち構えていて百貨店にたどり着けなかった。

「なんていうことだ!? これではお金があっても何もできないじゃないか!?」

「駅の売店ではアイテムを変えるわよ。」

 しかし、駅の売店も商品は完売だった。駅に接してある販売機も完売。駅のホームにある立ち食い蕎麦屋さんも大行列。

「ゲッ!? どうやってご飯を食えばいいんだ!? 餓死するぞ!? 餓死!?」

 食糧難に荒れ狂う望。

「こういう時は、ピザのデリバリーを頼めばいいのよ。」

「おお! その手があったか! ドリンクもよろしくな!」

「ホープちゃん。注文を宜しくね。」

「はい。希ちゃん。」

 こうしてバイク便がやってきて、渋谷駅までピザが届くのだった。JRSは、元々はスマホなので電話は普通にできる。スマホにAIが搭載され、さらに肉付けされ、かわいいお人形さんになったのだ。素晴らしい進化である。

「さあ、お腹も膨らんだことだし、電車に乗ろうか。」

「そうね。お腹が空くまでに山手線を一周しましょう。」

「おお!」

 望たちは、まだ気づいていない。駅の火時計の火が1つ消えようとしていたことを。現在、午前10時前。食料を確保するだけで、望たちは1時間も使ってしまったのであった。


 LAWS国家試験の本部。

「今年は優秀な学生がいるといいね。」

「そうですね。人類を正しい方向に導く者がいるといいですね。」

「まあ、何人生き残るか楽しみです。」

「死ねばいいのですよ。弱き者は。LAWSに必要な者は、強い心を持った、AI兵器を使いこなせる者なのですから。」

 試験管たちは、LAWS国家試験を楽しんでいた。

 つづく。

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